フィリピンで事業を展開されている日系企業の皆様、オフィスの受付や店舗、あるいは自社のECサイトやSNS上の販売ページに、BIR(内国歳入庁)の最新の登録証やシールが正しく掲示されているかご確認されていますでしょうか。
フィリピン内国歳入庁(BIR)は2026年9月24日付で、事業所やオンラインプラットフォームにおける「BIR登録シール(Registration Seal Badge)」の掲載・掲示遵守に関する最新通達 Revenue Memorandum Circular(RMC)No. 99-2026を発行しました。
本記事では、今回の通達のポイントと、税務調査(TCVD)で指摘を受けないために企業が今すぐ確認すべき実務上のチェックリストを解説します。
1. RMC No. 99-2026の概要と猶予期間の延長
BIRは、納税者(事業者)が適正に事業登録を行っていることを顧客や巡回官に証明するための仕組みとして「BIR Registration Seal Badge」の取得および掲載・掲示を義務付けています。
今回の通達(RMC No. 99-2026)では、未だ対応が完了していない事業者に対し、ペナルティなしで対応するための猶予期間(Grace Period)の延長が発表されました。
- 通達番号Revenue Memorandum Circular(RMC)No. 99-2026
- 発行日2026年9月24日
- 延長後の遵守期限2026年10月31日まで
これにより、2026年10月31日までの猶予期間中は、Registration Seal Badgeの未掲示のみを理由とするペナルティは科されません。
2. Registration Seal Badgeの対象となるオンライン事業者
Registration Seal Badgeのオンライン表示については、自社WebサイトやSNS、ECプラットフォーム等を通じて商品・サービスを提供する事業者が注意する必要があります。対象となる事業者は、BIR Form 2303そのものではなく、BIRが発行するRegistration Seal Badgeを、顧客が容易に確認できるオンライン上の場所に掲載する必要があります。
3. オンライン事業者・EC展開企業が注意すべきポイント
今回の制度強化で特に注意が必要なのが、Webサイト、ソーシャルメディア(Facebook、Instagram等)、Shopee/LazadaなどのECプラットフォームで商品を販売・サービス提供している事業者です。
- オンライン上の表示ルールBIR Form 2303そのものをネット上に無制限に公開するのではなく、公認された「BIR Registration Seal Badge」をプロフィールページ、店舗・ショップ情報ページ、会社情報ページなど、顧客が容易に確認できる場所に掲載する必要があります。
- 未掲載リスクBIRはオンライン上の巡回監視を強めており、期限内にシールの掲載が確認できないアカウントや店舗に対しては、猶予期間終了後、Registration Seal Badgeの未掲示についてBIRによるペナルティの対象となる可能性があります。
4. 未対応の場合のリスク(TCVD巡回調査)
BIRは定期的に「Tax Compliance Verification Drive(TCVD)」と呼ばれる現地訪問調査を実施しています。猶予期間終了後は、Registration Seal Badgeの未掲示がBIRによるコンプライアンス確認等で指摘され、ペナルティの対象となる可能性があります。オンライン事業を行う企業は、期限までに自社Webサイト、SNS、ECプラットフォーム等における表示状況を確認しておくことが重要です。
5. よくある質問(FAQ)
Q. BIR Registration Seal Badgeとは何ですか?
A. フィリピン内国歳入庁(BIR)が発行する、事業者が適正に税務登録を行っていることを証明するシールです。オンライン事業者はBIR Form 2303(登録証)原本の代わりに、これをWebサイト等に掲示する必要があります。
Q. 掲示期限を過ぎた場合のペナルティはどうなりますか?
A. 2026年10月31日の猶予期間終了後に未掲示が発覚した場合、BIRの巡回調査(TCVD)においてペナルティの対象となる可能性があります。
6. まとめ
2026年10月31日までの延長期間を活用し、自社の本社・拠点・Webサイトで適切な掲示がなされているかを早急に確認されることをお勧めします。
※本記事は、フィリピンに関する一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的助言を構成するものではありません。また、記事中の情報はBIR公表資料に基づくものであり、今後変動する可能性があります。
最後に
「自社の現在の掲示物が最新のBIR要件を満たしているか不安がある」「ORUSアカウントでの登録シールの取得手続や、オンライン店舗への適用方法がわからない」「BIRの現地巡回調査(TCVD)への対策を進めたい」。東京コンサルティングファーム(TCF)フィリピン拠点では、日系企業様向けに税務コンプライアンスの確認、BIR登録手続の代行、税務調査対応サポートを提供しております。お気軽にお問い合わせください。