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【フィリピン税制・会計】
SECの監査済財務諸表(AFS)
提出基準が300万ペソへ引き上げ

2026.09.15 会計 税務

フィリピンの証券取引委員会(SEC)が発布した通達により、監査済財務諸表(AFS)の提出義務が発生する資産・負債の基準額が60万ペソから300万ペソ超へ大幅に引き上げられました。

本記事では、この改定内容のポイントと、SECとBIRでは監査義務の判定基準が異なるという実務上の落とし穴について解説します。

1. 監査義務基準の引き上げ内容(60万ペソ → 300万ペソ超)

これまでフィリピンの会社法(Revised Corporation Code)および関連規則では、小規模な企業であっても監査対応が求められていました。今回の改定により、監査義務の基準は総資産または総負債が60万ペソ以上から300万ペソ超へと引き上げられました。

総資産および総負債の双方が300万ペソ以下で、監査免除要件を満たす法人は、外部CPAによる監査報告書の提出が免除されます。ただし、無申告で良いわけではなく、代わりに取締役会長や社長、財務責任者が宣誓署名した経営陣責任声明書(SMR)を添えた財務諸表をSECへ提出する必要があります。

2. 要注意:SECとBIRでは監査義務の判定基準が異なる

「自社は資産300万ペソ以下だから、もうCPA監査を受けなくて良い」と即断するのは非常に危険です。内国歳入庁(BIR)の監査基準は変わっておらず、SECでの監査手続が免除されたとしても、BIRの税務申告基準は従来通り適用されます。

BIRの監査義務要件は、年間総売上高・収入等(Gross Annual Sales, Earnings, Receipts or Output)が300万ペソを超える場合です。つまり、たとえ総資産・総負債が300万ペソ以下であっても、年間総売上高・収入等が300万ペソを超えている場合は、BIRへの年次所得税申告(ITR)のために引き続き外部CPAの監査済み財務諸表(AFS)が必要となります。

3. 企業が取るべき対応ステップ

最後に

今回のSECによる基準引き上げは、スタートアップや小規模法人のコンプライアンス負担の軽減につながる一方、SECとBIRでは監査義務の判定基準が異なる点に注意が必要です。自社がSEC上の監査免除対象であっても、BIR上は引き続き監査済財務諸表が必要となる場合があります。

※本記事は、フィリピンに関する一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的助言を構成するものではありません。

最後に

弊社では、フィリピンにおける会計・税務をはじめ、SECへの年次報告や各種コンプライアンス対応に関する実務支援を行っております。監査義務の判定やSEC・BIRへの申告・提出手続についてお困りの際は、お気軽にご相談ください。

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