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フィリピン社会保険の基礎知識

2026.07.24 基礎知識 労務

フィリピンで従業員を雇用する場合、日本と同様に社会保険への加入が義務となります。日本では「社会保険」と一括りにされることが多いですが、フィリピンでは目的ごとに3つの制度へ加入する仕組みとなっています。それぞれ担当する機関が異なり、保険料(拠出金)の計算方法や給付内容も異なります。フィリピンの社会保険制度は主に以下の3つで構成されています。

SSS(Social Security System):社会保障制度

PhilHealth(Philippine Health Insurance Corporation):健康保険

Pag-IBIG Fund(Home Development Mutual Fund):住宅支援制度

いずれも給与計算や毎月の申告・納付に関係するため、人事・総務・経理担当者は制度の概要を理解しておくことが重要です。今回は、それぞれの制度についてわかりやすく解説します。

1.SSS(Social Security System)の概要と目的は? 

SSSは、日本の厚生年金と一部の社会保障制度を組み合わせたような制度です。従業員が病気や出産、障害、退職、高齢になった際などに給付を受けられるよう、会社と従業員が毎月保険料を負担します。主な給付内容には老齢年金、傷病給付、出産給付、障害年金、死亡給付、葬祭給付などがあります。例えば、女性従業員が産休を取得する場合には、一定の要件を満たすことでSSSからMaternity Benefit(出産給付)が支給されます。保険料は毎月の給与額に応じて決定され、会社と従業員がそれぞれ負担します。給与が高くなるほど保険料も増加しますが、保険料には上限が設定されています。

1.SSS(Social Security System)の概要と目的は?

PhilHealthは、日本の健康保険に相当する公的医療保険制度です。病気やケガなどで病院を利用した際、医療費の一部について給付を受けることができます。フィリピンでは民間病院を利用するケースも多く、PhilHealthだけで医療費を全額カバーできるわけではありません。そのため、多くの日系企業では民間医療保険にも加入しています。主な給付内容は入院費用、手術費用、一部外来医療、特定疾病の治療費などがあります。PhilHealthも給与額に応じて保険料が決まり、会社と従業員で折半して負担します。

2.Pag-IBIG(住宅支援制度)の役割と特徴は? 

Pag-IBIG Fundは、日本にはあまり類似制度がない住宅支援制度です。正式名称は「Home Development Mutual Fund」といい、住宅取得を支援することを目的としています。従業員は毎月積立を行い、その積立金を活用して住宅ローンなどのサービスを利用できます。主なサービスには住宅ローン、短期貸付、災害時貸付、積立金の払い戻し(満期・退職時など)などがあります。積立金には配当金(Dividend)が付与されるため、強制貯蓄のような役割も果たしています。会社と従業員の双方が毎月一定額を拠出します。SSSやPhilHealthと比較すると負担額は小さいものの、法律上加入が義務付けられています。

3.Pag-IBIG(住宅支援制度)の役割と特徴は?

会社は3つの制度について以下の実務を行う必要があります。

・新入社員の加入手続き

・毎月の保険料計算

・保険料の控除

・各機関への申告、納付

・退職者の手続き

保険料の未納や申告漏れがあると、延滞金やペナルティが課される可能性があるため、適切な給与計算と期限内の納付が重要です。

【よくある質問】

Q:保険料は会社と従業員で折半ですか? A:制度により異なります(PhilHealthは折半が一般的ですが、SSSやPag-IBIGは月給額に応じて会社・従業員の負担割合が規定されています)。Q:試用期間中の従業員も加入義務はありますか?

A:はい、フィリピンでは入社初日から加入が義務付けられています。

最後に

フィリピンでは制度や保険料率は変更されることがあるため、最新の法令や各機関の公表情報を確認しながら適切に運用することが重要です。弊社では月次会計・税務サービスに加え、給与計算レビュー、SSS・PhilHealth・Pag-IBIG対応、人事労務コンプライアンスチェックなどのサービスも提供しております。フィリピンでの人事・労務管理にお困りの際はお気軽にご相談ください。

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