フィリピンで事業をする会社は源泉徴収した税金を内国歳入庁(BIR:Bureau of Internal Revenue)へ申告する義務があります。毎月/毎四半期に該当する源泉税の申告および納付を行いますが、源泉税の種類によって使用する申告フォームが異なるため、経理担当者はそれぞれの違いを理解しておく必要があります。
今回は、実務で一般的に発生する源泉税の主な種類について解説します。
1.フィリピンの主な源泉税の種類とは?
今回紹介するフィリピンの源泉税の主な種類は下記の通りです。
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源泉税の種類
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主な対象
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納付申告フォーム
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Expanded Withholding Tax
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サービス料、専門家報酬、賃料、広告宣伝費など
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BIR Form 0619-E
BIR Form 1601-EQ
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Final Withholding Tax
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配当、利息、ロイヤルティ、海外送金など
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BIR Form 0619-F
BIR Form 1601-FQ
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Withholding Tax on Compensation
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従業員給与
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BIR Form 1601-C
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2.拡大源泉税(EWT:Expanded Withholding Tax)
EWTは、Creditable Withholding Tax(CWT)の一種であり、企業間取引で最も一般的に利用される源泉税です。支払い対象となるのは主な次の取引となります。
・コンサルティングフィー
・会計士・弁護士への報酬
・オフィス賃料
・広告宣伝費
・請負工事代金
・一部の商品購入
拡大源泉税は取引内容によって税率が変わるため、支払企業は所定の税率で源泉徴収し、その税額をBIRへ納付しますなお、2024年施行の納税容易化法(EOPT法)により、源泉徴収の義務は所得が『発生(payable)した時点』で生じると明確化されている点にご注意ください。EWTは毎月および毎四半期に申告・納付が必要です。毎月、源泉徴収した分を翌月10日までにBIR Form 0619-E(Monthly Remittance Form of Creditable Income Taxes Withheld)を使用して申告し、各四半期の源泉徴収額を集計し、翌月末までにBIR Form 1601-EQ(Quarterly Remittance Return of Creditable Income Taxes Withheld)を使用して四半期分の申告を実施します。EWTは税額控除可能な源泉税(Creditable Withholding Tax)であるため、支払先には税額控除証明書であるBIR Form 2307を発行します。
3.最終源泉税(FWT:Final Withholding Tax)
FWTは、源泉徴収された時点で納税が完結する源泉税です。主な対象は以下のとおりです。
・配当金
・利息
・ロイヤルティ
・非居住外国法人への支払い
・海外親会社への配当金、利息、ロイヤルティ等の支払い
例えば、日本親会社へ配当金を送金する場合には、このFWTが適用されるケースがあります。毎月分で使用する申告フォームはBIR Form 0619-F(Monthly Remittance Form of Final Income Taxes Withheld)となり、源泉徴収した翌月10日までに申告・納税します。四半期分はBIR Form 1601-FQ(Quarterly Remittance Return of Final Income Taxes Withheld)を使用し、四半期終了後の翌月末までにBIRへ申告・納付します。また、支払先にはBIR Form 2306(Certificate of Final Tax Withheld at Source)を発行します。
4.給与源泉税(Withholding Tax on Compensation)
従業員給与に対して課される源泉税です。日本の給与所得税の源泉徴収制度に近い仕組みであり、会社が従業員に代わって所得税を徴収し納付します。使用する申告フォームはBIR Form 1601-C(Monthly Remittance Return of Income Taxes Withheld on Compensation)となり、会社は毎月分を翌月10日までに給与から徴収した税額をこのフォームで申告・納付します。給与源泉税には1601-EQや1601-FQのような四半期申告はありませんが、代わりに年次提出物としてBIR Form 2316(従業員向け源泉徴収証明書)およびBIR Form 1604-C(年次情報申告書)があります。
5.日系企業が注意すべき点
フィリピンの日系企業の税務調査でよく確認されるのは、EWTを正しく徴収しているか、海外送金時のFWTを適切に処理しているかなどがあります。特にコンサルティング契約、親会社へのマネジメントフィー、ロイヤルティ支払いなどは税務調査で重点的に確認される項目です。そのため、請求書を受領した段階で「EWT対象か」「FWT対象か」を判定し、月次申告(0619-Eまたは0619-F)および四半期申告(1601-EQまたは1601-FQ)を期限内に実施できる体制を整備することが重要です。
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最後に
このようにフィリピン実務で特に注意すべきなのは税務関連となります。間違った知識や理解で対応を進めていると税務調査が入った際に多額の追徴課税を取られるというケースも珍しくありません。
弊社では月次会計・税務の代行サービスだけではなく定期的なコンプライアンスチェックやレビューサービスも提供できますので、お気軽にご相談ください。