東京コンサルティングファームの杉原です。
今回は、フィリピンで進む電子インボイス制度についてご説明します。
いま企業が確認すべきポイントとは?
フィリピンでは、BIR(内国歳入庁)による電子インボイス制度の導入が段階的に進んで
います。2025年の RR No. 26-2025 により、初期対象企業の対応期限は2026年12月31日まで延長さ
れました。一方で、実務上、多くの対象企業は2027年から本格対応が求められると考えられています。
対象は「大企業だけ」ではない
対象となるのは、大企業だけではありません。以下のような事業者も含まれます。
EC・インターネット取引を行う企業
LTS(Large Taxpayers Service)対象企業
CASや電子請求システムを利用している企業
電子インボイス機能付き会計・請求ソフト利用者
そのため、すでに業務のデジタル化を進めている企業も注意が必要です。
「3営業日以内」ではなく「3暦日以内」
BIRの規則では、売上データは原則リアルタイム、または near real time で送信し、遅くと
も「取引日から3暦日以内」に提出する必要があります。また、送信データはPDFではなく、
JSON形式の構造化データが求められています。
そのため、ERP・会計・POS・ECシステムとの連携が重要になります。
税務優遇は「税額控除」ではなく「追加所得控除」
電子インボイス導入費用については、一定条件のもとで additional deduction(追加所得控
除)が認められています。
小規模事業者:費用の100%
中・大規模事業者:費用の50%
これは tax credit(税額控除)ではなく、課税所得から追加で控除できる制度です。
越境取引ではCEI制度も進行
輸入分野では、DOF(財務省)主導で Cross-border Electronic Invoicing(CEI)の制度整
備も進んでいます。JAO No. 001-2025 により、輸入時の電子インボイス運用や事前確認制度の
ルールが整理されています。
まとめ
フィリピンの電子インボイス制度は、単なる請求書の電子化ではなく、税務・システム・
業務運用を横断するコンプライアンス対応です。
2026年末までは猶予期間とされていますが、実質的には2027年対応に向けた準備期間と言
えます。
対象となる可能性のある企業は、以下の点を早めに確認することが重要です。
自社が対象となるか
既存システムが対応可能か
グループ会社・支店への影響有無
税務優遇制度の活用可能性
制度開始直前ではなく、今のうちから準備を進めることが重要になります。
※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Co., Ltd.)は一切の責任を負うことはありませんのでご了承ください。