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【2026年最新版】フィリピンインボイス制度の落とし穴

2026.05.11 税務 会計

概要

フィリピンではBIR(Bureau of Internal Revenue:内国歳入庁)が会計や税務の統制を担っています。BIRは毎年多くの法改正や施行規則などを発表し、その度にフィリピンで事業を行う会社は対応を余儀なくされています、その中でも近年、多くの企業に大きく影響を与えた法改正がEOPTA(Ease of Paying Taxes Act:納税緩和法)です。特に、インボイス制度に関する変更は法改正から2年が経過し、現在は電子インボイス(EIS)への移行という新たなフェーズに入っており、日系企業を含む事業者に混乱を引き起こしています。

インボイス制度について

・EOPTA前
 法改正前の従来の実務では使用する会計書類に違いがありました。
主に提供される業種によって異なり、

商品販売→Invoice
サービス販売→Official Receipt
のように使い分けられていました。


・EOPTA後
法改正後は、商品販売・サービス提供のいずれでもInvoiceの使用に一本化されるようになりました。つまり、Official Receiptは主要な税務証憑ではなくなり、補助書類としての位置づけになりました。

日本人にとっての注意点

日本語では、請求書・領収書という概念がありますが、今回の法改正で英語訳をしたInvoice・Receiptでは一概に通じない点に注意が必要です。BIR(内国歳入庁)が求める公的書類はInvoiceとなります。そして、このInvoiceが請求書の役割を果たすのか、領収書の役割に近いのかは各企業の使用法によっても異なります。

法的にInvoiceを請求書または領収書として取り扱うとは定められておらず、単に該当取引の税務面で必要な書類となっております。そのため、取引先から請求書や領収書を別の形式で受領したとしても、BIRに登録された正式なInvoiceでない限り、税務上の資料としては不足している状況となりますのでご注意ください。

実務でのトラブル

・取引先との対応
 取引先の要求によってはInvoiceだけでなく、従来のOfficial Receiptが必要だったり、別の形式の書類で発注処理をしてからInvoiceを受領するなどの規定の流れがあったりします。その際は、それぞれ必要な書類の用意が必要となりますが、Invoiceが主要な税務証憑として求められる認識に変わりはありません。


・BIRからの要件
 使用しているInvoiceを公式なものとするためには、BIRからの事前の許可と登録が必要となります。ATP(Authority To Print:印刷許可)の取得や、会社が使用する会計システムによっても新たにシステム上でのInvoiceのテンプレートを登録し直す作業も発生したり、移行には手間と時間がかかる観点から実施が遅れている会社もあります。


 また、登録されたInvoiceを取引先へ発行する際には毎度、次のような情報を記入/印字する必要があります。
例)会社名、住所、税務番号、発行日、商品/サービス内容、量、単価、VAT金額


・細かい経費での対応
 スーパーマーケットやコンビニでの買い物時に通常受け取るレシートは、企業が税務上使用するInvoiceとしては条件を満たしていない場合があります。基本的にPOSと呼ばれるレジ横のシステムから自動的に印字されたレシートには会社情報や税務番号が記載されていない事もあるため、全ての情報が印字されるよう予め依頼する必要があります。印字形式のInvoiceに後から手書きで必要情報を追記しても、正式な書類として認められないこともあります。

BIR税務調査時の注意

税務調査時に多くの企業が指摘される内容としては


「BIRに登録された正式なインボイスがない」
「インボイスはあるが税務番号や必要情報が記載されていない」
「VATの内訳が記載されていない」


などが挙げられます。


 これにより、法人税での損金算入が認められなかったり、VATの追徴課税が適用されたりするケースを拝見します。税務調査時にBIRが遡れるのは通常、過去3年分までとなります。

しかし、3年後に過去の費用についてサプライヤーからInvoiceの発行を頼んだり修正を依頼しても対応されない場合がほとんどです。このような不本意な追徴課税による支払いを避けるためにも日頃から社内で回収しているInvoiceを含む会計書類については詳細なチェックが必要となります。

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Co., Ltd.)は一切の責任を負うことはありませんのでご了承ください。

最後に

このようにフィリピン実務、特に税務関連では複雑な内容が多くあるため専門家に相談をしたりすることがお勧めとされています。
弊社では月次会計・税務の代行サービスだけではなく定期的なコンプライアンスチェックやレビューサービスも提供できますので、お気軽にご相談ください。

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