
皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループ、ミャンマー拠点の渡辺 晃です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「2025年版:ミャンマー会計③」についてお伝えします。
目次
【2025年版:ミャンマー会計③】
要約
- 現行法はMCL2017/Companies Regulations 2018で、手続はMyCOで行います。
- Annual Return(AR)は設立後2か月以内に初回、その後は毎年「設立記念日から1か月以内」に提出します。
- 財務諸表は株主総会の招集通知と併せて送付し、本店で閲覧に供します。
- DICAへの財務諸表提出義務は原則「公開会社(Public Company)」が対象で、「非公開会社(Private Company)」は通常対象外です。
- 総会招集通知は非公開会社21日以上/公開会社28日以上前が基準です(定款で上積み可)。
- 小規模会社(従業員30名以下・売上5,000万MMK未満)は、総会や監査の一部義務が緩和されます。
- 会計基準はIFRS/IFRS for SMEsの参照運用が進んでいます。
- 一般の会計年度は4月1日〜翌3月31日で、法人税の年次申告は期末後3か月以内が目安です。
- MIC関連事業は四半期レポートの提出が必要です。
- 年間実務は「記帳→決算・監査→招集通知・送付→総会承認→AR提出→税申告」の順で管理します。
法令枠組み
現在の根拠法は「Myanmar Companies Law 2017(MCL)」および「Companies Regulations 2018」です。会社の設立・変更登記や各種届出は、原則としてオンライン登記プラットフォーム「MyCO」を通じて行います。
年次申告(Annual Return)
設立後最初の年次申告は、設立日から2か月以内に提出します。以後は、毎年の「設立記念日」から1か月以内にMyCOで年次申告を行います。期限を徒過した場合は、一時的な登録停止や抹消のリスクが生じますので、内部の年次スケジュールに落とし込み、確実に対応します。
財務諸表の送付・開示と提出先
作成した財務諸表および関連資料は、株主総会の招集通知とともに株主へ送付し、本店等で閲覧に供します。なお、財務諸表を当局(レジストラ/DICA)へ提出する義務は、公開会社に適用されるのが原則であり、非公開会社には通常は課されていません。
総会の招集期間
株主総会の招集通知は、非公開会社では少なくとも21日前、公開会社では少なくとも28日前に発出するのが基準です。会社定款において、これらの期間を上積みすることも可能です。
小規模会社(Small Company)の緩和
従業員数が30名以下で、かつ直前年の売上高が5,000万MMK未満の会社は「小規模会社」に該当します。この場合、年次総会や監査の一部義務が免除されるなどの緩和措置が認められますが、記帳義務や基本的な会社維持義務は継続します。
会計基準
会計基準は、IFRSおよびIFRS for SMEsの枠組みを参照する運用が進んでいます。企業規模や取引の複雑性に応じて、適用範囲と注記の水準を適切に選定します。
税務(会計年度と申告)
一般の民間企業の会計年度は概ね 4月1日〜翌3月31日 です。法人税の年次申告は原則、決算期末から3か月以内。一方、会社法側の Annual Return(AR)は決算期ではなく「設立記念日」基準で、初回は設立後2か月以内、以後は毎年「設立記念日から1か月以内」に MyCO で提出します(公開会社は AR と同時に監査済み財務諸表を提出、小規模会社には一部免除あり)。このため、税務(IRD)と会社法(DICA/MyCO)は別トラックで期限管理し、監査スケジュールは両方の締切に間に合うよう前倒しで設計します。
MIC関連企業の報告
MICパーミットまたはエンドースメントを受けて事業を行う企業は、四半期ごとに事業パフォーマンス報告を提出します。投資プロジェクトの進捗や雇用・支出の実績を適時に取りまとめ、期限内に提出します。
年間の標準フロー(非公開会社・小規模対象外の想定)
まず、期中の記帳と内部統制を通じて決算資料を整備し、期末後に年次財務諸表を作成します。監査対象であれば、監査を実施したうえで、株主総会の少なくとも21日前(公開会社は28日前)に招集通知を発出し、財務諸表を株主に送付して閲覧に供します。総会で承認を得たのち、設立記念日から1か月以内にMyCOでAnnual Returnを提出します。公開会社は、同時に財務諸表を当局へ提出します。税務については、会計年度末から3か月以内を目安に法人税の年次申告を行います。
④に続く
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渡辺 晃
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