メキシコの週払い給与(週給制)

 

メキシコでは現地スタッフへの給料支払が月に複数回に及ぶことがあります。
具体的には、ワーカークラス(いわゆる、ブルーカラーの従業員)は月 4 回(毎週【(週給制)】)、スタッフクラス(いわゆる、ホワイトカラーの従業員)は月2回(2週間に1回)の支払うのは通常です。

さて、今回は週払い給与(週給制)を取っている際の欠勤控除をどのように計算するのかについて実際に簡単な数値を用いて触れていきたいと思います。

 

給与総額の計算の考え方
前提としてですが、一週間の給与は7日間分を支給するということになります。
つまり、日曜日が休日であった場合でも、日曜日に対して給与が発生しているという考え方をします。そして、この休日分を計算においてどのように扱うかによって、給与計算の考え方が別れてきます。

①「休日分を平日と同じように扱う(休日分を分けずに計算するケース)」
②「休日分を平日とは別に扱う(休日分を分けて計算するケース)

 

【例】週給額面5,000、社会保険料(IMSS):300、所得税(ISR):150
①休日分を分けずに計算するケース
この場合は、欠勤がない状況(給与を満額支給)での計算式を以下のように考えます。
5,000=5,000×7/7

②休日分を分けて計算するケース
この場合は、欠勤がない状況(給与を満額支給)での計算式を以下のように考えます。
5,000=5,000×6/7+714.29×6/6
※総額=法定出勤日分+法定休日分

上記を踏まえたうえで、週払い給与対象のスタッフが1日欠勤した場合の給与総額と各種控除項目(IMSS、ISR)考え方は以下となります。

①休日分を分けずに計算するケース
1日欠勤した場合は、下記の計算式となります。
総額:4,285.71=5,000×6/7

②休日分を分けて計算するケース
1日欠勤した場合は、以下のようになります。
総額:4,166.67=5,000×5/7+714.29×5/6

 

<控除項目計算の考え方>
●IMSS(社会保険料)
週支給での給与計算においては、満額支給時の控除額を以下のように考えます。
例)満額支給時のIMSS控除額を300とする。
>1か月のカレンダーデイが30日の場合
300≒1,285.71/30×7
※週次でのIMSS控除額=月額IMSS/カレンダーデイ×7日

よって、1日欠勤した場合は以下の計算式のように1日分を控除した金額となります。
257.14≒1,285.71/30×6

 

●ISR(所得税)
源泉される所得税の金額は、課税所得額に基づきます。
そのため、欠勤によって給与総額(課税所得額)が下がれば、源泉所得税額も下がる可能性があります。
金額の算定はメキシコ所得税法に則って計算されます。

注意)あくまでも上記は一般的な考え方を示しているものですので、
実際の計算は専門家に依頼をして正しく行うようにお願いいたします。

 

 

株式会社東京コンサルティングファーム メキシコ拠点
黒岩洋一

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