知っておくべき『El Punto de Equilibrio』とは?

会計

こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの吉田 幸弥です。

前回は「限界利益(Margen de contribucion)と限界利益率(Porcentaje de margen de contribucion)」について、解説してきました。

まだ、見てない方はリンクを貼り付けておきますので、ぜひ以下のリンクからご確認ください。

売上を考える前に「Porcentaje de margen de contribucion」を考えよ

 

そして、今回のテーマは「損益分岐点(El Punto de Equilibrio)」」についてです!
さあ、いきなりですが、問題です。

<問題>

A社の損益分岐点となる売上はいくらでしょうか。

A社の現状:売上 50,000変動費 35,000固定費 30,000
※売上に対する変動費の割合および固定費は変わらないとします

これが1分以内にわかれば、完璧です。ただし、これが1分内にわからない、もしくは、不安な場合には、ぜひ今回のブログを見ていただければと思います。
今回のブログを見ていただければ、これが5秒でわかるようになります!

 

【はじめに】

前回までは、変動費固定費および限界利益について解説してきました。

達成したい利益を上げるにはどのように売上を上げていったら良いのかなどがわかったかと思います。
今回は売上がいくらだった、利益が出るのかを解説していきます。

“損益分岐点”はなんとなく聞いたことはあるかもしれませんが、まずビジネスを始めていく上でこの“損益分岐点”を意識していくことがとても重要になってきます。

 

【損益分岐点】

“損益分岐点”とは「売上高=費用」となり利益も赤字も出ない地点のことです。

ほとんどの会社では売上高すべてが利益というわけではなく、売上高から原価や人件費、家賃などの経費を引いて利益を出していきます。

前々回にて解説しましたが、人件費や家賃など、売上高の増減にかかわらず発生する固定費といい、利益を発生させるためには必ずこの固定費を回収しなければなりません。
なので、最低限固定費分の利益を稼がなければいけません。

つまり、前回解説した“限界利益”固定費と一致した点が損益分岐点となるのです。

  • 売上高=費用
  • 売上高=変動費+固定費
  • 売上高-変動費=固定費
  • 限界利益=固定費

 

損益分岐点となる点はわかったと思いますが、損益分岐点の時の売上はどう算出していくのか、最初に出した問題を使って解説していきます。

 

<解説>

A社の損益分岐点となる売上はいくらでしょうか。

A社の現状:売上 50,000変動費 35,000固定費 30,000

※売上に対する変動費の割合および固定費は変わらないとします

 

①現状の利益と限界利益率はいくらか

まずは、現状の利益や利益率を算出していきます。

  • 売上50,000-変動費35,000=限界利益15,000
  • 限界利益15,000÷売上50,000=限界利益率30%

 

②限界利益=固定費となる場合の売上はいくらか

次に、限界利益=固定費を出すためには、売上を算出していきます。

限界利益=固定費
必要な限界利益=30,000

 

限界利益が30,000のときの売上高とはいくらかを算出していきます。
①より限界利益率30%とわかっているので、損益分岐点となる売上は以下のように計算していきます。

必要な限界利益30,000÷限界利益率30100,000

 

つまり、損益分岐点となる売上は100,000となります。

さあ、ここまででわかりましたでしょうか。
最後にもう1問、問題です。これが5秒で解けたら、完璧です。

 

B社の損益分岐点となる売上はいくらでしょうか。

B社の現状:売上 10,000変動費 3,000固定費 7,000
※売上に対する変動費の割合および固定費は変わらないとします。

答えは、今回のブログの最後に記載しておきますので、ぜひ見てみてください。

 

【終わりに】

今回は計算をメインにやってきましたが、わかりましたでしょうか。損益分岐点という考え方がないと、いくら売上を頑張って上げたとしても、なかなか利益が出ないということになりかねません。
売上を上げていくことも大事ですが、売上だけでなく、費用とのバランスを考え、利益を上げていくことが重要になってきます。

さあ、いろいろ解説してきましたが、実際に自分の会社の損益分岐点を把握しておりますでしょうか。

 

ここを把握していなかったら、なかなかビジネスが上手くいかなくなってしまうかと思います。
もし、複数の部門や製品、サービスを扱っていて、この損益分岐点をどうやって計算したら良いかわからないといったことがありましたら、ぜひ、今の会計事務所に聞いてみてください。

また、弊社では月次経営戦略書といったツールを使って、この損益分岐点をすぐに算出することが出来ます。
来期や来月の利益を達成するにはどうしたらいいかなどもこれさえ見れば、わかります。

日本語だけでなく、英語版やスペイン語版も用意しており、英語やスペイン語での講座も行なっております。
もし、ご興味がありましたら、いつでもご連絡いただければと思います。

 

今回は以上となります。
また、次回もよろしくお願いします!

何かご不明点等ございましたら、お問合せフォームよりご連絡ください。


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<参考文献>


株式会社東京コンサルティングファーム メキシコ拠点
吉田 幸弥

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても、情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Co., Pte. Ltd.)は一切の責任を負いません。ご了承ください。

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