皆さん、こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの黒岩洋一です。
今週はメキシコ国税庁(SAT: Servicio de Administración Tributaria)のWEBページについて記載します。
質問)
メキシコ国税庁(SAT)のWEBページにはメキシコ現地企業情報が多く掲載されていると聞きます。今回、新規で取引を開始したいメキシコ現地企業があるのですが、その企業がコンプライスアンスをしっかりと守っているのかどうかを確認する必要があります。
企業のコンプライス状況をSATのWEBページを通じて確認することはできるのでしょうか。
回答)
メキシコは電子会計制度の下、企業は取引の情報を全てSATに報告する必要ので、SATは各企業の取引情報を把握していることになります。
メキシコの全ての企業は、RFC【アールエフシー】(Registro Federal de Contribuyentes)と呼ばれる税務番号を取得しており、このRFCによって管理がされています。例えば、当該企業が発行した、また取得したFACTURA(電子インボイス)の情報、また、これまでの税務申告情報などもRFC情報に基づいてSATにて管理がされていますので、対象企業の納税者登録番号(RFC:Registro Federal de Contribuyentes)とパスワードが分かれば、その会社におけるこれら情報はいつでも、誰でも確認することが可能です。
メキシコは日本と違って会社四季報などのような公になっている企業情報が少なく、また帳簿も正しく作成されていない等、与信調査を実施しようとした際に正しい情報が手に入らず、苦労しているというケースよく耳にします。
その一方で、適切に運用されているかどうかは怪しいところがありますが、今回SATをはじめ、メキシコ社会保険公社(IMSS:Instituto Mexicanode Seguro Social)、移民局(INM:Instituto Nacional de Migración)等、書類申請や進捗・登録情報の確認をWEBを通じて行うことがほとんどです。
そのため、IDとパスワードを用いることで、相手企業や書類状況の確認などをすることが可能となります。もし、貴社で各種コンプライス状況を確認したいということであれば、相手からIDやパスワードを入手するということが必要にはなりますが、管轄当局のWEBページを通じて調べることをお勧めします。
また、日本本社から、自社(メキシコ子会社)のコンプライアンスにおける公的なドキュメントを提出しろと依頼された場合も、自社のログイン情報を用いることで、公的機関における最新の登録情報を確認することができますので、必要に応じて入手していただければと思います。