メキシコでの労働組合

 

毎年のように法律が改正されるメキシコ。2018年12月に左派の新政権が発足され、大低賃金の大幅な上昇が起こり、労働法の改正にも注目が集められました。

しかし、ふたを開けてみると懸念されていたアウトソーシング会社(人材派遣会社)の利用に関しては触れられることはなく、大幅な改正には至りませんでしたが、そんな中、メキシコにおける労働組合の扱いです。

これまで、メキシコの労働組合は形式的なものも多く、労働組合本来の役割(目的)を担っていなかったと諸外国から言われていました。事実、貿易の面ばかりが取りざたされている新NAFTA(USMCA)においてもこの点は指摘をされています。

 

では、労働組合本来の役割(目的)とは何なのでしょうか。また、そもそも労働組合とはどいうものなのでしょうか。
労働組合の始まりは18世紀ころと言われていますが、その目的は今も昔も変わっていません。

“労使間における関係の改善、特に労働者が雇用者から不当な扱いを受けないようにする”

実際、日本の厚生労働省のホームページには、労働組合について以下のように記載がされています。

“労働組合は労働者が団結して、賃金や労働時間などの労働条件の改善を図るためにつくる団体です。”

このように、労働組合は「労働者が雇用者に対して、自分たちの労働条件を改善させるための手段」として考えられているのが一般出来であり、メキシコの労働組合は、これら本来の目的を満たしていないと言われていたのです。

 

今までは御用組合と言われる組合が存在していました。メキシコは労働者の保護が強く、また一部の過激な労働組合から身(会社)を守るためにもこういった組合が必要だったのかもしれません。
今までグレーな状態で運用されてきたメキシコの制度が、国際社会に受け入れられるため少しずつですがクリアになってくるのではないでしょうか。
冒頭でも記載しているように、現政権は今まで以上に従業員を保護する政策を取ってきています。企業としても今まで以上にこういった点にも注力していく(コストをかける)必要が出てきているのは事実です。

 

 

株式会社東京コンサルティングファーム メキシコ拠点
黒岩洋一

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