- 2018-9-24
- 労務
皆さん、こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの黒岩洋一です。
今週は2018年9月1日から変更となったメキシコシティでの給与税の申告納付方法について記載します。
質問)
当社の給与を担当している現地スタッフから給与税のことに関して以下のようなことを言われ、対応に窮しています。ご教示頂けないでしょうか。
内容としては「2018年9月1日から、メキシコシティでの給与税の申告・納付方法が変わったが、今まで通りのやり方で進めるのか、それとも自分たちで行うのかどっちの対応をとるのか」という質問を依頼している現地の会計事務所から聞かれたことです。
今まで通りのやり方とは、会計事務所から納付書をもらって、その納付書に基づいて当社で支払を行うという方法です。
当社としては今までのやり方に不便を感じておらず継続をしたいのですが、そもそもこのようなことを聞いてきた理由が分かりません。今までのやり方に問題があるのか、それとも自社で行うことでのメリットがあるのでしょうか。
回答)
ご相談いただいたように、2018年9月1日より、メキシコシティでの給与税(ISN:Impuesto sobre Nóminas,【英】Payroll tax)の申告方法が変わりました。
具体的には、SAC(Sistema de Administración de Contribuciones)というシステムを通して申告を行い、必要であればそのシステムを通じて支払いまでを実施することが可能となりました。このシステムにより、企業毎の状態(過去・現在の支払状況等)をリアルタイムで確認することが可能となりました。
このシステムの利用には、法人のRFCやe-firma、各パスワードはもちろん、法定代理人の情報も必要になります。
さて、今回会計事務所からの質問に関してですが、おそらく同システムを通じての給与税の申告・納付を“貴社自身でおこなうのか”それとも“今まで通りの方法”で行うのかということ確認してきているのだと考えられます。
先述したように、今まで納付書を発行し、その納付書に基づいてネットバンキング等で支払っていた給与税を、このシステム上で支払うことが可能となりました。そのため、
「もし、システム上で支払いをするのであれば、自分たちで申告・納付ができますよ」
ということかと思われます。
もちろん、このシステムを通じての給与税の支払いは一つのオプションであり、今まで通り、納付書を発行してネットバンキング等で支払うことは可能です。また、システムを通じての給与税の支払方法によって値引等がされるわけでもないため、現段階において、特段のメリット・デメリットは無いと考えられます。
最後に、SACでの運用は現在メキシコシティだけであり、他州では運用がされていませんので、注意が必要です。
SACのWEBサイト:http://innovacion.finanzas.cdmx.gob.mx/siscon
黒岩洋一