メキシコでも最近では不動産価格も上昇してきており、メキシコで不動産を購入して投資を行っていこうとする人もいるようです。そこで今回はメキシコで不動産投資を行う際のメキシコにおける基本的な税務に関する情報を記載したいと思います。
●メキシコ非居住者による不動産投資
まず、考えられるのは日本に居ながらメキシコの不動産へ投資をする方法ではないでしょうか。この場合は日本の居住者(メキシコの非居住者)としてメキシコの不動産を購入して賃貸収入等を得るということになると思います。
この場合、メキシコの非居住者であるオーナーは、この収入に対する税金をメキシコで納めなくてはいけませんが、メキシコの非居住者であるオーナーはメキシコ納税者番号(RFC)を持っているわけでないため、直接納税することができません。そのため、源泉徴収という形で税金を課すことになります。
源泉徴収とは、一般的にはお給料の明細なででなじみのある言葉かもしれませんが、給料や報酬・利子等を支払う者が、それらを支払う際に所得税等の税金を差し引いて、それを国等に納付する制度です。今回のケースであれば、借主がオーナーへ家賃を払う際に家賃総額の25%を源泉徴収してその差額をオーナーに支払い、源泉徴収した25%分をメキシコ国税庁(SAT)へ支払うということになります(※メキシコ所得税法158条(ISR 158条))。
この方法を取ることによって、メキシコ非居住者であるオーナーは、この家賃収入に対する税金を間接的に納めているということになるのです。
●メキシコ居住者による不動産投資
次にメキシコ居住者がメキシコ国内で不動産投資を行ったケースを見ていきましょう。
メキシコ居住者が不動産投資を行う場合は日本と同じように、収入として得た金額からその収入を得るためにかかった経費を差し引いて最終的な課税所得額を計算します。しかし、このような方法(一般法)を取ることはあまりなく、簡易的な計算式(簡易法)が使われています。この簡易法はスペイン語で“Deducción Ciega”と言い、家賃収入額の35%を経費(損金)として計上して、課税所得を計算する方法です。
もちろん、必ずしも簡易法を取らなければならないというわけではありませんので、実際に一般法でも計算を行い有利になる方を選択するのが良いでしょう。
株式会社東京コンサルティングファーム メキシコ拠点
黒岩洋一
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