メキシコの退職者に対するPTUに関する企業側のアクションについて

皆さん、こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの渡辺 寛です。
今週はメキシコの退職者に対するPTUに関する企業側のアクションをご紹介します。

質問)
前年度において1月1日から6月30日まで弊社にて勤務していた者から前年度のPTUの支払いについて連絡が来ました。
こちらは企業側には対応義務があるのでしょうか。
また義務があれば具体的にどのような対処が必要になりますでしょうか。

回答)
企業は退職者に対してもPTUの支払義務があります。そのため、ご質問の様な場合、企業側は従業員の申し出に対応する義務が御座います。
PTUの対象期間に在籍していた退職者に対しても企業はコンタクトをとる必要が御座いますが、コンタクトをした結果、退職した者が、PTUの受取を拒んだ場合、企業は支払う必要はありません。

そのため具体的な企業側の対処としては、
① 電話やメール等でコンタクトを行った形跡を作る
② PTUの支払い分の小切手等を用意する

上記の結果、従業員が②の小切手を受け取りに来た場合は、渡す必要が御座いますが、取りに来なければ1年後に小切手の破棄を行う事が可能です。
これは、退職者がPTUを受取れる権限は、PTU支払期限(*)から1年間あり、その期間内に退職者と連絡が取れない等で支払を実施できなかった場合、企業のPTU支払義務はなくなります。
(*)PTUの支払期限は、企業の税務申告から60日後です。

上記の対処を行う事により、企業側として最善を尽くしたことを証明することが出来ますが、コンプライアンスを考えるのであれば、退職者にもPTUを支払ってしまう事の方が無難となります。
また上記のことから労務省にチェックされてしまえば、PTUに関しては、問題がなかったとしても、それをきっかけに他の部分で問題と指定されるリスクも発生することが考えられます。
労務省等からチェックされない体制を創るのが一番の理想となります

 

株式会社東京コンサルティングファーム メキシコ拠点

渡辺寛

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