皆さん、こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの渡辺 寛です。
今週はメキシコの第三者間取引(Pago a cuenta treceros)をご紹介します。
質問)
今月、メキシコに現地法人を設立しました。従業員の正規雇用も始まったのですが、法人の銀行口座が、開設しておりません。その場合、どのようにして従業員の給与を支払い部きでしょうか。
回答)
銀行口座の開設よりも先に、IMSS(社会保険庁)の登録及び従業員の雇用をしてしまった場合、第三者間取引(Pago a cuenta trceros)として給与の支払いを行う事となります。
具体的にどういうことかと言いますと、実際の給与計算及び給与に関する税務申告を行い、従業員に対する給与の手取り額を他の第三者から支払います。
第三者というのは、例えば日本人駐在員や他の法人という事になります。
また税金の納付も同じように第三者から行う必要があります。
その場合、貴社としての会計には、以下のように記帳されます。
① 従業員への給与支払時
給与 / 預り金
未払金(第三者に対する未払金)
② 銀行口座を開設後、第三者へ未払金の支払
未払金 / 現預金
上記における①の給与は、損金算入費用とすることが出来ます。
また通常であれば、給与の支払方法を現金で行った場合は、損金算入することが出来なくなりますが、第三者間取引の場合、①の従業員に対する支払われ方は、重要ではなく、②の未払金の支払方法が、重要となります。
そのため第三者の支払方法が、どのような形式であろうとも、給与を損金算入費用として計上することが出来ます。
第三者間取引の似たようなケースで、従業員が、立替払いを行い、後に経費精算を行うことも挙げられます。
例)従業員が、スーパー等で会社の経費でペンを購入した場合
①従業員が、ペンを購入
消耗品費 / 未払金
② 経費精算を行い法人から従業員へ支払
未払金 / 現預金
メキシコのFacturaと呼ばれる請求書のフォーマットには、デビットカードなのかクレジットカードなのか、現金払いなのか支払方法を記載する必要があります。
例えば、従業員がデビットカードで支払ったにも関わらず、クレジットカードの支払方法としてFacturaが作成されてしまった場合でも、法人にとっては第三者間取引(Pago a cuenta treceros)であるため、従業員の支払方法に関わらず、損金算入費用として計上することが出来ます。但し、法人から従業員への経費精算の支払は、ネットバンク又は小切手等で行う必要があります。
※Facturaが、なければ損金算入できません。
そのため①の支払方法は、重要ではなく②の支払方法が重要となります。
株式会社東京コンサルティングファーム
メキシコ拠点
渡辺寛
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