今回はメキシコの外国直接投資額についてお話します。
メキシコの外国直接投資(FDI:Foreign Direct Investment)額は、2009年に国際金融危機の影響で161億USドルに落ち込みましたが、2010年にはオランダのハイネケン社がメキシコの飲料大手メーカーであるフォメント・エコノミコ・メヒカーノ社のビール部門を買収した大型投資(51億7,000万USドル)があったため200億USドル台に回復しました。その後は同様の大型案件はありませんが、順調に推移しているものと思われます。
FDIを国別に見ると、2010年のトップはオランダでしたが、それ以外の年はアメリカがトップです。次いでスペイン、オランダ、スイス、ドイツといった欧州勢、アジアでは日本の投資額が最も多くなっています。
産業部門別に見ると、2013年は製造業が259億USドル、鉱業が27億USドル、その他サービスが23億USドルと続いています。製造業においては、自動車メーカーが北米・中南米マーケットの小型車を中心とした生産拠点としてメキシコ工場に投資を加速し、あわせて部品メーカーへの投資も多くなっています。また、メキシコ政府が次世代産業として期待する航空機産業への投資も順調です。商業では、ウォルマート・ストアーズ社が本国アメリカに次ぐ店舗数をメキシコで展開しており、積極的な投資が行われています。
今後も、輸出産業の生産拠点への投資だけでなく、1億を超える人口を擁するメキシコの旺盛な購買力に注目した、内需拡大を狙った投資もさらに多くなっていくと思われます。
以上、お読みいただきありがとうございました。
なお、本記事は2019年11月時点の内容となっております。最新情報やより詳細な情報は弊社サービスのWiki Investmentをご利用頂きたいと思います。Wiki Investmentへの登録は、下記のリンクからお願い致します。