今回はメキシコのGDPと経済成長率の推移についてお話します。
アメリカ経済の好況の影響により2004年から安定的経済成長を続けてきたメキシコですが、2008年には新型インフルエンザが発生し、同年の後半に起きたアメリカ発の世界金融危機の影響も重なり、経済成長率が2008年は1.5%増だったのに対し、2009年は4.7%減と著しく落ち込み、1994年の通貨危機「テキーラショック」以来の大きなマイナス成長となりました。
しかし、2010年には、前年のマイナス成長幅には少し届かないながらも、5.1%増と高い伸びを示し、翌2011年には、欧州における債務危機の影響がありながら、中南米向けの輸出が確実に伸びたこと、また、内需の回復などに伴い3.6%近い成長率を維持しました。
2012年以降も、2012年3.6%、2013年1.36%、2014年2.80%、2015年3.29%、2016年2.92%、2017年2.07%、2018年1.99%、2019年1.63%(予想)となっており、[f1] 高い伸びとはいえないまでも、着実に推移しています。メキシコ経済は輸出依存度が高く、特にアメリカへの輸出割合が高いためにアメリカの景気動向に大きく左右されます。アメリカ経済に依存する1つの例として、現在アメリカには、メキシコからの不法入国を含む移民が約1,800万人(2018年時点。1995~2000年が流入のピークであり、年々増大)います。この移民からメキシコに残っている家族へ年間200億USドルにも及ぶ送金が行われており、国内の、特に北部地域の個人消費を下支えしています。
中期的には、アメリカの景気動向や原油価格変動からの直接的影響が強いという構造的な課題があるものの、近年のメキシコは積極的かつ多角的な通商展開が奏功しており、順調に成長を遂げているといえます。
また、2017年時点では1人当たりのGDPは既に9,000USドルを超えており、1億人を超える巨大マーケットを有する国としての存在感も大きくなっています。
出所:IMF
http://www.imf.org/external/pubs/ft/weo/2016/02/weodata/weorept.aspx?pr.x=49&pr.y=18&sy=2010&ey=2017&scsm=1&ssd=1&sort=country&ds=.&br=1&c=273&s=NGDP_RPCH%2CNGDP&grp=0&a=
出所:IMF
http://www.imf.org/external/pubs/ft/weo/2016/02/weodata/weorept.aspx?pr.x=49&pr.y=18&sy=2010&ey=2017&scsm=1&ssd=1&sort=country&ds=.&br=1&c=273&s=NGDP_RPCH%2CNGDP&grp=0&a=
以上、お読みいただきありがとうございました。
なお、本記事は2019年7月時点の内容となっております。最新情報やより詳細な情報は弊社サービスのWiki Investmentをご利用頂きたいと思います。Wiki Investmentへの登録は、下記のリンクからお願い致します。