メキシコの株式会社における資本金について

経営

 

今回はメキシコの株式会社の機関設計に必要な要素のうち、資本金についてお話します。

 

メキシコにおける最低資本金の制限は、2012年1月に廃止となり、現在は1ペソからでも会社を設立することができるようになりました。以前は、設立時における公証手数料を低く抑えるため、1万ペソ程度で会社を設立してその後に増資をするケースがありましたが、増資の際にも公証手続が必要となった現在では、公証手数料を低く抑えるという理由で設立時の資本金を低く抑えるというメリットはなくなりました。

 

また、可変資本会社における資本金の構成は、固定資本と変動資本に分けて登記がなされます。この違いは、増減資の実施のしやすさであり、比率としては変動資本部分が多くなっています。

 

時々、現物出資のことで質問を受けることがありますが、機械設備などを現物出資として扱うためには、下記の条件を満たしている必要があります。

 

① 各株主が総資本金額の20%以上を現金で出資している
② 現地法人の定款内に実際に現物出資として扱う設備及びその評価額が記載されている

 

注意しなければならない点として、“各株主が”20%以上を現金で出資している必要があるということです。例えば、株主が2名(AとB)であったならば、AとBがそれぞれ20%以上を、つまりこの場合は少なくとも総額の40%が現金で出資されなければならないということになります。

 

メキシコの会社設立においては、株主は2名以上必要という制度上の問題で、形式的に株主を2名にしているケースが多くあります(【例】A:99%とB:1%)。この様な場合、資本金総額の40%は現金で出資されているかもしれませんが、Bが20%以上の現金出資をしていないため、現物出資を行うことはできないということになります。

 

 

以上、お読みいただきありがとうございました。

なお、本記事は2019年9月時点の内容となっております。最新情報やより詳細な情報は弊社サービスのWiki Investmentをご利用頂きたいと思います。Wiki Investmentへの登録は、下記のリンクからお願い致します。

 

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