こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの濱咲克心です。
今週は監査役に関して記載します。
質問)
会社設立時、現地法人の監査役は誰でもなれるのでしょうか。例えば親会社の従業員でも可能でしょうか。
回答)
メキシコにおける会社設立に当たっては、取締役の他に監査役を1名以上置かなければなりません。商事会社一般法165条には、監査役に選任できない者の要件として、以下の項目が列挙されています。
・法律によって事業を行うことが認められない者
・当該会社の従業員
・株式25%以上を保有する関連会社の従業員(恣意性の介入が認められるような場合)または株式50%以上を保有する関係会社の従業員
・取締役の直系血族。四親等以内の傍系血族もしくは二親等以内の親族
株式25%以上を保有する関連会社の取締役に関しては、法律には従業員以外は監査役になることができると記載されているため、形式上は特段問題なく監査役に就任できることになります。ただし、法の立法趣旨から、恣意性の排除のために監査役は第三者であることが求められています。多数の株式(25%以上)を保有している関連会社の取締役に関しては、恣意性の介入が考えられ、監査役にする一定のリスクがあると解釈することができます。
その為、親会社の従業員がなることは難しく、メキシコ新規進出企業の多くは、弁護士・会計士・コンサルタント等の名義を借り、当該弁護士等を監査役に選任しています。