皆さん、こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの黒岩洋一です。
今週はメキシコの法定賞与について記載します。
質問)
メキシコ現地スタッフへの給与支給を始めるため、会計事務所へ給与計算を依頼することになりました。給与の月額を伝えたところ、会計事務所から「アギナルドは別途支給しますか、それとも月次の給与額に含めますか?」と聞かれました。アギナルドとはどの様なものなのでしょうか。
回答)
アギナルド(Aguinaldo)とは、法定賞与と呼ばれるメキシコ独特の福利厚生の一つです。「法定」とあるように、法律によって支給が定められている賞与のことであり、企業は従業員に対して、最低支給額(日給15日分)以上を業績に関わらず支給しなければなりません(毎年12月20日までに支給する必要があるため、「クリスマスボーナス」とも呼ばれていています)。
会社は「アギナルドを支給しない」という選択を取ることが出来ませんが、従業員の年収にアギナルドを含めることは可能です。つまり“年収+アギナルド”とするのではなく、“年収(含むアギナルド)”とするのです。
具体的には、毎月の給与計算項目を「通常給与」と「アギナルド」に分けて計算させ、「アギナルドを支給している」という事実を残すのです。また、アギナルドの一部は非課税所得となります※。
※1日の最低賃金×30日分=一年間の非課税所得額(メキシコ所得税法93条XIV)