メキシコの株主総会

 

メキシコは事業年度が暦年と決まっており、例外が認められていないため、各種年度末の申告業務が年明け2月~4月に集中しています。2月にはDIM、3月には法人として税務確定申告、4月は個人の確定申告と株主総会の開催が大きなトピックではないでしょうか。

 

今回はメキシコの株式会社における株主総会についてお話してみたいと思います。

 

メキシコ株主総会は、通常株主総会(Asamblea Ordinaria)と特別株主総会(Asamblea Extraordinaria)の2種類があり、通常株主総会は年に1回、事業年度終了後4ヵ月以内に開催することがメキシコ商事一般会社法(以下、会社法)181条で定められています。メキシコの事業年度は暦年、つまり1月~12月であるため、毎年4月末日までに開催が必要ということになります。
一方、特別株主総会は会社法182条に記載ある決議事項に該当する事項が生じる場合のみ開催が必要とされており、必ずしも毎年実施されるものではありません。

 

通常株主総会及び特別株主総会での決議事項は以下のように列挙されています。

【通常株主総会での決議事項】
● 決算の承認
・会社経営に関する報告書提示と議論、必要な場合は、その承認
・会社財務諸表に係る貸借対照表、同年度実績(損益計算書)、
その他の会計書類の提示、議論、必要な場合は、その承認
・利益がある場合は、その配当の決定
● 役員、監査役の変更
● 役員、監査役報酬の決定

 

【特別株主総会での決議事項】
●会社の存続期間の延長
●会社の期限前の解散
●会社資本の増加もしくは減少(可変資本制度不採用)
●会社の事業目的の変更
●会社国籍の変更
●会社の組織変更
●他会社との合併
●優先株式の発行
●自己株式の会社による消却、および享益株式の発行
●社債の発行
●会社契約の、いずれを問わない他の変更
●法律もしくは会社契約が特別の定足数を要求する、その他の事項

 

本来、株主総会は株主が開催場所に集まり、実施されるものですが、メキシコの実務においては、実際に株主が集まって開催するのではなく、委任状に株主が署名をし、受任者が開催を行ったという形で議事録簿に議事録を作成して残しておくケースがほとんどです。

 

注意しなければいけない点は、決議する事項によっては株主総会議事録を、公証や商業登記の手続を実施しなければならないということです。

通常株主総会の決議事項だけであれば不要ですが、特に特別株主総会の決議事項は必要となるケースがありますので、専門家等としっかりと確認を行うようにしましょう。

 

 

株式会社東京コンサルティングファーム メキシコ拠点
黒岩洋一

 

【WIKI-INVESTMENTのご紹介】

待望のデータベース化を実現!!『WIKI-INVESTMENT』オープン

これまで多くの企業様にご愛読いただいた弊社『海外投資の赤本』シリーズ計14冊24カ国(合計金額101,706円相当)の内容が、さらにマレーシア・アフリカ諸国のコンテンツも加わり、データベースに生まれ変わりました。

本データベース『WIKI-INVESTMENT』のオープンを記念しまして、今なら各国の2章分(第1章と第2章)を登録不要でお試しいただけます(もちろん無料です)。

さらに、すべての内容を一度見たいという声に応えまして、無料会員登録をしていただきますと、24時間で掲載30か国のすべての情報を閲覧することが可能です。

 

無料登録は、下記のURLよりたった1分で可能です。

http://wiki-investment.com/

(なお、閲覧する際は、PCでの利用をお願いします。)

コンテンツに関することは、メールで無料問い合わせが可能です!!!

(個別、具体的案件に関する質問は、別途、有料サービスも用意しております。)

 

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Co., Ltd.)は一切の責任を負うことはありませんのでご了承ください。

関連記事

ページ上部へ戻る