さて、前回では、経営は4つの視点で考えることが重要であり、その具体的な視点として、【財務の視点】、【顧客の視点】、【プロセスの視点】、【組織の視点】を順次説明していきます。まずは【財務の視点】になります。
【財務の視点】
- 原因と結果の分け方
- 過去と未来について
- 利益の最大化
本日は①原因と結果や③利益の最大化について解説していきたいと思います。財務の視点とは、なんぞやと疑問を抱く方もいらっしゃると思いますが、財務の視点とは、決算書の数値だと考えてくれたらよいです。決算書の数値、半期や四半期決算の数値、もっと細かく言えば、月次決算の数値であるととらえてもらえれば良いです。
何が言いたいかといいますと、【財務の視点】は結果の数値に過ぎないということなのです。結果の数値であるということは、利益がいくら出た、とかキャッシュはいくら増えたかを見るところです。
そして、継続企業の前提に立って、企業経営を行なうにあたっては。この結果の数値がより良くすることを目標にしているはずなのです。企業は利潤を追求する、と言ってしまうと、金儲け主義のネガティブなイメージを抱きがちですが、利益を最大化させることに注力することは何も悪いことでもないですし、卑しいことでもありません。その利益を分配することをコミットしているのであれば、利益を最大化させることは世のため人のためになるものなのです。具体的に利益の分配先を列挙しておきますと、
- 社会への分配:利益を出せば、どこの国でもその利益に対して、法人税率が乗じられるのであり、利益が出ずに0だった、もしくは損失だったとなれば、その年の法人税は0となります。もちろん、赤字でも0です。しっかり企業運営を行い、利益が出て、納税することは、その納税資金が橋や道路を作り、福祉に使用され…、国を富ますことにつながります。
- 社員への分配:利益が出れば、その利益の額に応じて、社員に決算賞与を与えると制度があります。多くの企業で取り組まれている制度です。こちらももちろん、利益が出ずに赤字決算になれば、決算賞与は全く出ません。また、もう一つ、利益を出すことによって、社員の昇給資源にもなりえます。利益が出れば、社員も分配を受けて、より一層の行動意欲がわき、帰属意識を高め、安定した給与や昇給は、社員の家族にまで経済的幸福がもたらされるのです。
- 会社への分配:とはいっても、社会や社員のためだけに分配するわけではなく、企業が継続的に発展し、倒産リスクを回避し、財務体質の良い強い会社になるためには、利益を内部留保する必要があります。内部留保することによって、自己資本比率が高まり、銀行への信頼が高くなり、新規投資を行う際の借入の与信をスムーズにクリアし、業績が良く利益が出ていると、既にある銀行借入の利息率は低減させることができるかもしれません。また加えて、株主への配当資源もこの利益から分配されることが多く、株主を安心させることも必要です。
- 銀行への分配:世の企業の約7割が銀行から借入を行ない、事業運営をしています。利益の一部を返済資源とするのですが、赤字経営だと、いつか銀行への返済が滞り、リスケになり、信用や与信は下がり、また窮屈な利息率となります。利益をしっかり出して、新規投資での借入を滞りなく返済し、経済とお金を回す必要があります。
利益を最大化させていき、上記4つの分配を行うことができると、ここに記載されたステークホルダーの方や組織はハッピーになります。より信頼が高まります。また、さらに銀行は貸出を強化してくれるかもしれないし、社員はより行動意欲やモチベーションを高めるかもしれないし、微弱ながらも納税をすることによって、国から優良法人としてみなされ、感謝されるかもしれない。
良いことだらけなのです。だから、利益を最大化させることは何も悪いことではないのです。この利益を最大化させるという結果にこだわる必要があり、ではその結果に対する原因は何なのか、という話になります。
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株式会社東京コンサルティングファーム
橋口 敦史
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