人それぞれに”正しい”が存在する。
ある人にとっては困っている人を助けることが”正しい”ことであり、
ある人にとっては自分を優先することが”正しい”ことだったりする。
僕たちが持っているこの”正しい”(つまり”正義”)が
人間関係を複雑にしている要素であることは間違いない。
そして、それをもっと複雑にしているのは
互いの”正義”に対する認識だ。
”正義”の反対は”悪”ではなく、”敵”でもなく、もう一つの”正義”だ。
にもかかわらず、自分の”正義”が至極真っ当なものであると疑わない僕たちは
相手の”正義”を正しくないもの、と勝手に結論づける。
この認識こそが、簡単な問題を複雑にする真の原因である。
▼その”正義”が生まれる背景にあるものは?
個人の”正義”が生まれる背景に必ず存在するものは”愛情”だ。
それぞれの想いが結晶となって、誰かに向けることで
人は”愛情”を示し、受け取ることが出来る。
西野亮廣が以前に話していた内容で
「戦争が生まれるのは人に”愛”があるから。」だと言っていたのも
とても共感できる。
”正義”と”正義”の衝突は
誰かに対する愛情があるからこそ生まれてしまう状況なのだ。
▼衝突の瞬間に垣間見えるものは?
自分の”正義”をぶつけて初めて認識できるものは
当然のこと「相手が人生で大切にしているもの」である。
僕は一度組織を壊している人間だからこそ、
そこをおざなりにしないことを心から強く誓っている。
相手の大切にしているものから目を背けるか?
それともとことん向き合う覚悟があるか?
僕の答えは
「相手に求められなくても、とことん向き合う」だ。
よく「争うことはいいこと」と言うが、
厳密には「それぞれの”想い”がぶつかることで相手を深く知る」ことがいいのであって
相手の人格否定して、何も考えずに衝突したり
ただ怒りを感情のままにぶつけることは、ほとんど無意味でしかない。
こんなのは、自分の自尊心を満たしたい
心が未発達な人間のする行為だ。
▼会社にとっての”正義”はなに?
では、個人の”正義”の話を一旦切り上げた、
これを会社という組織で考えたとき、会社にとっての”正義”は何だろうか。
言うまでもない。
これは”経営理念”に集約される。
会社における正義は、
幸福の最大化であったり、自由の尊重であったりと言われているが
本当に最適解だと考えれるのは”美徳の促進”に違いない。
この”美徳”こそが
経営理念、ミッション、行動指針、規律
というあらゆる形で存在してるのが会社という組織である。
▼結局、大事なのは互いに受け入れられる”素直さ”
個人であれ、組織であれ、とどのつまり
一旦自分の中に相手の”正義”や”美徳”を受け入れるからこそ、価値観の変化が生まれる。
”正義感”のある人や”美徳”のある人は、往々にして強い影響力を備えているが、
最初から影響力がある人間はいない。
ホリエモンだって、生まれたばかりのころは単なる堀江貴文くんだったのだ。
なぜ今ここまで強く影響力を存在になったかと言うと、
”素直さ”という土壌の上に、何度も何度も価値観の変化を受け入れ、
多くの人の影響力を受け続け、その過程を経て自分の中にある”想い”を突き詰めたからこそ
今のホリエモンが生まれた。
だから僕たちも、
ただ単に相手の”正義”を潰すために、言い負かすためにぶつかるのではなく、
その後ろに見え隠れしている、相手の”想い”を素直に汲み取って、
事情とか状況とか感情とか、ある程度理解した上で、自分の”想い”をぶつけることが出来れば、きっと、今よりずっといい人間関係が出来るはずだ。
相手にどのように伝えれば、伝わってくれるだろうか、
どんな風に手を取り合って一緒にゴールまで歩めるだろうか、
同じ志を持った仲間と仕事をする過程で、お互いにこんな風に相手を慮って行動を起こせたら
間違いなく今以上の組織が作られるに違いない。
僕が作りたいのは、そんな組織だ。