インドネシアTax Amnesty利用時の注意点について

税務

皆さん、こんにちは。インドネシア駐在員の伊藤です。

 

2016年6月下旬、インドネシア国会では、従来から議論の的となっていた租税特赦法(Tax Amnesty)が可決され、7月より施行が開始されました。

 

過去に所得の申告を正確に行っていなかった納税者が、自主的に申告を申し出ることで、それに伴う刑罰や追徴を免除したり、課税額を軽減するという政策プログラムです。

ペナルティの支払いが免除されるケースもあり、利用を検討されていらっしゃる企業もあるかと思いますが、利用後の制約がありますので注意が必要です。

 

<Tax Amnesty利用時の注意事項>

 

・税務上の繰越欠損金が全てリセットされる

決算が赤字の場合には影響ありませんが、黒字の場合に、欠損金による法人税の相殺ができませんので、黒字化する場合には、法人税支払い額への影響を事前に勘案しておく必要があります。

 

・還付申請中の税金について申請をキャンセルされる

過去30年分についての還付申請が取り消しとなります。

 

・資産(現預金、債権、固定資産)についてインドネシア国外へ動かすことができない

Tax Amnesty実施後の3年間は、資産を海外へ移動することができません。

4年目になった際に、資金移動等が可能になります。日本の親会社へ資産を移転できませんので工場や機会の売却などを契約している場合には注意が必要です。

 

 

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