今年の4月にネガティブリストが改正され、倉庫業が33%、国内販売業が33%まで規制が強化され、各界に波紋を広げたことは記憶に新しいですが、今一度、これに付随した論点を整理しておきましょう。特に、既存のお客様からのお問い合わせを紹介いたします。
Q.当社は、昨年度から、商社業にて、設立を検討していた矢先、今年のネガティブリスト改正の話があり、急きょ、設立に踏み切りました。改正前に、滑り込みで、会社の社名登録および、BKPMの許可(Izin Prinsip)の取得までを終えております。ただ、会社の事業計画が定まらないうちに、オフィスを借りるというのは、現実的ではなく、また、資本金も最低資本金で設定しております。このような場合、今後、本格的に設立の手続きを進めようとしたとき、容易に増資(資本金変更)や、住所変更は簡単にできますでしょうか。
A.インドネシア法務上、不利益変更があった場合において、既存の利益を保護するという法理(グランドファーザールールと呼称しています)が存在します。今回の場合、上記の法理が適用されると解され、Izin Prinsipの内容変更(資本金変更および、住所変更)のあと、通常の会社手続きをすることが可能と解されます。
これの応用として、15年ルール適用企業がいったん、株式をローカル企業に売却した後、買戻しをする場合(ダイバースメントと呼称しています)、ネガティブリストの変更(商社の場合、100%外資→33%規制への変更)が適用されるでしょうか。客観的にいえば、会社のステータスに変更があったわけではなく、単純な株主の変更ですから、増資の場合と変わりなく、グランドファーザールールが適用されてしかるべきと解されますが、最終的には、BKPM判断となる微妙な案件ですので、個別の相談が必要といえます。
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