インドネシア会計基準 PSAK

経営

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東京コンサルティンググループ、インドネシア法人にて勤務しております、内野能活です。

今回は「インドネシア会計基準 PSAK」についてです。

 

会計基準

インドネシアで事業を行う法人は、会社法によりインドネシア会計士協会(IAI)の作成する会計基準に従うことが求められています。
IAIは1957年に設立され、職業会計士の育成と会計基準の開発・設計に取り組んできました。

1973年には、インドネシアで初めての会計基準となるインドネシア会計原則1973(PAI1973:Prinsip Akuntansi Indonesia1973)を施行しました。
この当時の会計基準は、米国会計基準を一部取り入れています。

1994年には、経済のボーダレス化の進展に伴い、国際会計基準をベースとする財務会計基準(PSAK:Pernyataan Standar Akuntansi Keuangan 1994)へと改訂されました。
(ぺーさーかーと呼びます)

その後も、国際会計基準に近づけるように順次、基準の見直しが行われてきました。

 

インドネシアでは、完全適用ではないものの、2012年より国際会計基準の適用が開始されています。
IFRSを完全適用した場合、より利益を得られるとの見解もあり、今後インドネシアが完全適用を選択する可能性もあります。

 

このように、会計基準としては、国際的な会計基準と遜色のないものが整備されてきましたが、多くの企業では厳格な適用は実施されず、一般に公正妥当と認められるレベルの会計処理がされていたというのが実状です。

この問題に対応すべく、上記基準とは別に公的説明責任のない企業のための会計基準(SAK-ETAP:Standar Akuntansi Keuangan untuk Entitas Tanpa Akuntabilitas Publik)が、2009年5月に公表され、2011年1月1日以降開始される会計年度から適用されるようになりました。
この基準は、中小企業向け国際会計基準と同等の基準となっています。

インドネシアの会計基準は米国会計基準、国際会計基準という、その時代の先端の会計基準を基に策定することで発展してきました。
近年は国際会計基準の完全適用という新しい時代を迎えようとしています。

 

運用状況は会計基準の整備が進められていますが、実際の運用にはさまざまな問題があります。
国際基準を取り込んでいる部分について、実務指針が作成されずに、開示内容について理解されていないケースがあります。

また、実務家や教育機関での更新が追いつかずに、実務上の問題も多いといわれています。
運用面を改善するためには、罰則の適用を強化することも必要ですが、罰則自体が厳しくないということに加え、取り締まる体制が整備されていないことが今後の課題です。

 

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東京コンサルティングファーム インドネシア拠点
内野能活

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