タイトル インドネシア就労における手続き(個人所得税) |
前回ご紹介した、インドネシアで就労するための必要手続きの中で、今回はNPWP取得および個人所得税について、ご紹介致します。
【居住者、非居住者の確認】
居住者とは
・インドネシアに定常的な住居を有する
・連続する12ヶ月以内に183日以上インドネシアに滞在している
・課税年度内(1月―12月)にインドネシアに滞在し、インドネシアに居住する意思を持つ。
上記のいずれかを満たす者です。
実務上は、1年以上のKITAS(居住許可)を持っており、NPWP(税務番号)を取得している方は、居住者になります。
非居住者の場合は、インドネシアにおいて発生した所得(国内源泉所得)のみ、居住者の場合は、インドネシアにおいて発生した所得(国内源泉所得)およびインドネシア以外の国で発生した所得(国外源泉所得)が課税されます。
【所得税の計算】
①総課税所得の集計(課税年度における全ての収入―非課税収入)
②課税所得の算出(総課税所得―所得控除額)
※所得控除の内訳
基礎控除 36,000,000 IDR
配偶者控除 3,000,000 IDR
扶養控除(最高3人まで)3,000,000 IDR
業務関連所得(総所得の5%、上限6,000,000 IDR)
BPJS(社会保障)への拠出金全額(従業員負担分)
適格年金基金への積立金(総所得の5%、上限2,400,000 IDR)
③所得税額の算出(課税所得×所得税率)
※所得税率 課税所得の額に応じた4段階の累進課税率
5,000万ルピア以下 5%
5,000万ルピア以上2億5,000万ルピア以下 10%
2億5,000万ルピア以上5億ルピア以下 25%
5億ルピア以上 30%
【NPWP(納税番号)の取得】
上記の居住者に該当、所得控除額以上の年間所得のある方は、税務番号NPWPを取得し、確定申告を行う義務があります。
実務上は、IMTA、KITAS取得後に、納税番号取得手続きを行います。申請から約1~2週間で、税務署より自宅(登録住所)にNPWPカードが郵送されます。
※NPWPを取得していない場合の個人所得税は120%課税となるので、納税義務者は必ず取得する必要があります。
【PPH21とPPH25】
PPH21とは、インドネシアに居住する個人に支給される所得に対する源泉税のことで、毎月発生する給与より、会社側が源泉して納付する義務を負います。翌月の10日納税、20日申告締となります。
PPH25とは、インドネシアにて確定申告する個人所得税およびその予納のことで、個人が主体となり納税・申告を行います。
日本等で給与の受取がなく、インドネシアで支給される所得しかもらっていない場合は、PPH21とPPH25は等しくなります。
個人の所得に関する納税の流れは以下の通りです。
①NPWPの取得
②インドネシア所得に対する源泉税(PPH21)の納付・申告⇒毎月必要
③3月31日までに前年の1月―12月までの全世界所得に対して、個人所得税額の計算、納付、申告
④4月以降、PPH21に加え、PPH25として個人所得税を12で按分した額を毎月予納。
以上