皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループインドネシア拠点の飯島 淳です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「【インドネシア税務】 還付(リスティテューション)の入金遅延 ― 当局による還付管理厳格化
の動き」についてお話していこうと思います。
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【インドネシア税務】 還付(リスティテューション)の入金遅延 ― 当局による還付管理厳格化
の動き】
お世話になっております。東京コンサルティングファームの飯島です。
平素より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。本号では、いま現地で問題となってい
るインドネシアの税務還付の入金遅延についてお届けします。
インドネシアでは2026年4月以降、税務当局による還付管理の厳格化を背景に、過払い税金の支払
命令書(SPMKP)が税務署から国庫支払事務所(KPPN)へ送付されているにもかかわらず、
KPPNが資金を解放せず、実際の入金が大幅に遅延するケースが全国的に発生している。本号では、
還付手続きの流れと遅延の背景、実務上の留意点を整理する。
税務還付手続きの流れ
インドネシアの税務還付は、以下のステップを経て実施される。
順 手続・文書 内容
税務調査・異議申立(Keberatan)
の完了
還付の前提となる調査または争訟手続が完了する段階
SKPLB の発行 「過払税額決定通知書」。税務調査の結果として過払税額を
確定する文書(Surat Ketetapan Pajak Lebih Bayar)
SKPKPP の発行 「還付決定通知書」。支払額や納税者の送金先口座が記載さ
れ、SPMKP発行の根拠となる(Surat Keputusan
Pengembalian Kelebihan Pembayaran Pajak)
SPMKP の発行・送付 KPP長が財務大臣の名のもとKPPNへ発行する「過払税金支
払命令書」。KPPNへ資金解放を指示する行政間文書(Surat
Perintah Membayar Kelebihan Pajak)
KPPNによる資金解放・送金 SPMKPを受けたKPPNが資金を解放し、納税者口座へ送金が
実行される最終ステップ
いま問題となっている段階 SPMKPが税務署からKPPNへ送付済みであるにもかかわらず、KPPNが資金を解放せず、
実際の入金が行われないケースが全国的に発生している。
遅延の背景 ― 還付管理の厳格化
財務大臣 Purbaya Yudhi Sadewa は、2026年4月上旬の国会において、2025年の税務還付実績が
Rp361兆超 に達したこと、およびその手続が不透明であったことを問題提起した。これを受け、財
務省は還付プロセス全体の包括的な監査実施を決定している。
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© Tokyo Consulting Group | P. 2
• 2026年5月1日、財務大臣規則第28号(PMK 28/2026)が施行され、VAT暫定還付(迅速還付
)の上限が Rp50億 → Rp10億 に引下げられた(PMK 39/2018の改正)。あわせて、月次VAT
申告の供給額がRp42億以下であること等が迅速還付の条件とされた。
• 現地の一部報道によると、財政開発監督庁(BPKP)による 2020〜2025年 を対象とした調査
的監査が進行中。資源セクターを中心に対象とされ、速報は2026年第2四半期に報告される見
込み。
• Purbaya大臣は、還付計算の誤りを理由に税務官僚2名を 罷免する方針を表明(少なくとも5名
が調査対象とされる)など、当局の管理強化姿勢が鮮明になっている。
• 税務コンサルタント協会(IKPI)をはじめとする関係団体が、政府への申し入れを検討してい
ると伝えられている。
現状における法的手段の限界
SPMKPが税務署からKPPNへ送付された後であっても、KPPNに対して資金解放を法的に強制でき
る手段は、現時点では限られている。手続上はすべて完了しているにもかかわらず、納税者は行政
の判断に委ねざるを得ない状況が続いている。
また、税務調査では還付と併せて追徴が決定するケースが多い。遅延期間中に追徴課税通知書
(SKPKB:Surat Ketetapan Pajak Kurang Bayar)の支払期限が到来した場合、還付金との相殺を
前提に支払いを保留することは大きなリスクを伴う。SKPKBの支払期限を過ぎると延滞金(sanksi
bunga)が発生する可能性があるため、注意が必要である。
実務上の対応と留意点
還付申請の慎重な検討:審査の長期化・入金遅延のリスクを十分に考慮したうえで、申請の要
否・時期を判断する。
2. SKPKBの期日内支払いの徹底:税務調査中にSKPKBが発行された場合、SKPLB・SKPKPPの
受領や還付金の入金を待たず、必ず期日内に支払う。相殺前提の支払保留は延滞金リスクを招
く。
税務当局との継続的なコミュニケーション:SPMKPの発行状況やKPPNでの処理状況について、
担当税務署に定期的に確認する。
最新情報の継続的な把握:PMK 28/2026の運用やBPKP監査の進捗など、制度・運用の変更が
予想される。随時最新情報を収集し、対応方針を見直す。
キャッシュフロー上の含意 税務調査・異議申立の完了後も、実際の資金回収には相当の時間を
要する可能性がある。還付金を当て込んだ資金繰りは避け、SKPKBの期日内納付を前提とし
た保守的なキャッシュフロー管理を徹底したい。
まとめ
2026年4月以降、インドネシアでは還付管理の厳格化を背景に、SPMKP送付後もKPPNが資金を解
放しないケースが全国的に発生し、入金の大幅な遅延が続いている。還付完了までに相当の時間を
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要しうることを念頭に、キャッシュフロー管理の徹底とSKPKBの期日内支払いなど、実務面での対
応を確実に行うことが重要である。
本件に関してご不明な点があれば、弊社担当者まで気軽にお問い合わせいただきたい。
免責事項
本ニュースレターは2026年6月時点で公開された情報に基づく一般的な情報提供であり、法務・税務上の助言を構成するも
のではない。施行日・数値・運用は今後変更される可能性があるため、具体的な意思決定の際は一次情報および専門家への
確認を行うこと。
主な出典(一次情報・専門機関)
・KPMG Indonesia|Tax News Flash May 2026 – New rules for preliminary tax refunds (PMK 28/2026)
https://kpmg.com/id/en/insights/2026/05/tnf-may-2026-pmk28.html
・IKPI(インドネシア税務コンサルタント協会)|Restitusi Pajak Dipercepat, PMK 28/2026
https://ikpi.or.id/en/restitusi-pajak-dipercepat-pemerintah-terbitkan-pmk-28-2026/
・Ortax|Pemerintah Turunkan Batas Restitusi PPN Dipercepat Menjadi Rp1 Miliar https://ortax.org/pemerintah-
turunkan-batas-restitusi-ppn-dipercepat-menjadi-rp-1-miliar-lewat-pmk-28-2026
・Tempo|Indonesia's Tax Refunds Surge to Rp361 Trillion in 2025 https://en.tempo.co/read/2085030/indonesias-
tax-refunds-surge-to-rp361-trillion-in-2025
・Jakarta Globe|Two Indonesian Tax Officials Face Removal Over Excessive Refunds
https://jakartaglobe.id/business/two-indonesian-tax-officials-face-removal-over-excessive-refunds
・MUC Consulting|Purbaya Threatens Reassignment and Dismissal of Tax Officials
https://muc.co.id/en/article/over-tax-refunds-purbaya-threatens-reassignment-and-dismissal-of-tax-officials
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飯島 淳
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