中国の移転価格税制は?

こんにちは、中国・上海の安孫子 悠治 (アビコ ユウジ)です。

 

今日は中国の移転価格についてお話します。

 

移転価格(Transfer Pricing)とは、子会社・関連企業などのグループ会社間で行う取引の価格のことをいいます。

 

グループ間の取引ですので、価格は自由に決めることができそうなものですが、そうもいきません。

 

理由は、移転価格を自由に設定させると、本来その国で課税されるべきであった利益が他の国に移転してしまうといった問題が発生するからです。

 

そのため、利益の他国への移転を防止し、適正な国際課税を課すために、移転価格を取り締まる移転価格税制(Transfer Pricing Taxation)があります。

 

移転価格税制とは、グループ企業ではない第三者への販売価格(独立企業間価格:arm’s length price)と移転価格が異なる場合、独立企業間価格で取引したとみなして課税する制度のことです。

 

各国の税務当局が移転価格税制上問題となり得る取引を認識した場合、当該企業に対して移転価格調査が実施され、対応に膨大なコストと時間を要することになります。

 

また、移転価格に対して更生処分を受けることになった場合、追加徴税と延滞税に加え、二重課税リスクを被ることになり、大きな損失が生じることになってしまいます。

 

移転価格税制で注意しなくてはならない点は、納税者に租税回避の意図があるか否かに関わらず課税されるということです。

 

日本や中国を含む主要各国では移転価格を、経済協力開発機構(OECD)が定めた独立企業間原則に基づき類似の非関連企業取引において成立したであろう価格と同程度の価格に設定することを原則としています。

 

 

近年の移転価格税制はあらゆる関連者取引を対象としているため、特に注意が必要です。

 

中国では、技術移転による現地企業の無形資産保有が積極的に行われた結果、技術移転の対価を正当に回収することが困難となり、移転価格課税による二重課税リスクが高まっています。

 

そのため、予期せぬ移転価格リスクを避けるために、移転価格における潜在リスクの分析、移転価格の専門化に相談をする必要があります。

 

今日は以上です。

 

 

中国市場についてのセミナーも随時開催しております。

 

ご興味のある方はぜひ以下のアドレスまでご連絡ください。

 

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安孫子 悠治 (abiko yuji)

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