中国マーケットの分析について

こんにちは、中国・上海の田中勇です。本日は、中国マーケットの分析についてお話します。

中国マーケットを理解する上で、沿岸部と内陸部に区分する等、いろいろな分析方法があります。実際、販売会社においては、沿岸部と内陸部で製品仕様を変化させるなどの対応をしております。例えば、車両販売会社であれば、沿岸部に最新式の装備等を備えた車を売り、一方で内陸部では無駄な装備等は省き低廉な車を売る対応がされております。ところが、最近では、沿岸部内や内陸部内での各地域の所得格差も大きいこと等から、各市・省・自治区ごとにマーケティングする会社が増えてきました。

中国特有の事情等も含めた各省のマーケティング分析をするには、どうすればよいか。という質問をよく受けますが、中国国内で流行している分析方法として、一人当たりGDPと「遊牧・農耕・植民地文化」を軸に各省のマーケティング分析する方法があります。

文化/一人当たりGDP ①1,000ドル未満 ②1,000~3,000ドル未満 ③3,000ドル~5,000未満 ④5,000ドル以上
遊牧文化 甘粛省の農村地帯等 河北省等 北京等
植民地文化(遊牧文化と農耕文化の融合) 上海、青島
農耕文化 貴州省の農村地帯等 重慶市の郊外等 成都、重慶市

上記は、中国の大学でも取り上げられているマーケティング分析手法です。「遊牧・農耕・植民地文化」の分類する際、北京より北は遊牧文化、成都などの南西に行くと農耕文化が色濃くなり、上海や青島等の沿岸部では、アヘン戦争をきっかけとする欧米支配を受けた歴史があることから、植民地文化があるという基準で分けられています。v
例えば、車を販売する際、一人当たり名目GDPがほぼ一緒である上海と北京では(約12,000ドル)、100世帯当たり保有する車の台数が約2倍異なります。(上海:16.8、北京:33.8)


【100世帯あたり車保有数(縦軸)と一人当たりGDP(横軸)の関係図】中国国家統計局のデータ(2010年)を基に作成

この車の台数が異なる要因として、北京は農耕民族に属するため、馬に代わる車の保有を好む人が多いことが挙げられるというのが、上記の分析手法の考え方です。

一般的に中国マーケット分析は日本人にとっては難解であるといわれておりますが、上記のように公表されている数値データを加工することで、中国マーケットが見えてきます。

以上

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