企業間貸付について Q&A

こんにちは、中国・上海の三輪常敬です。

Q, 企業間貸付を行いたいのですが、ライセンスは必要ですか。

A,
ライセンスを持っていなくても、特定の条件に付き、企業間での金銭の貸付は可能です。

2015年8月6日に最高人民法院が公布、同年9月1日に施行された「最高人民法院关于审理民间借贷案件适用法律若干问题的规定」において、企業間貸付が可能になりました。

それまでは、企業間貸付は禁止されており、銀行等の金融機関から融資に頼るのみでした。そのため、実務上は、借入による資金調達において、多くの企業で委託貸付スキームを用いるか、対外債務の形式をとるといった手段が用いられてきました。

この規定が公布されたことにより、従来は原則として無効とされてきた企業間貸借も、生産・経営のために必要な場合には有効と認められることになります。

ただし、すべての企業間貸借が有効と認められるわけではありません。
具体的には下記の場合には無効と認定されます。

(1) 金融機関の信用貸付資金を不正に取得し、高利で借主に転貸して、且つ借主が事前に知り、または知るべきであった場合
(2) その他企業から貸借または本事業組織の従業員から募集して取得した資金を高利で借主に転貸して利益を取得し、且つ借主が事前に知り、または知るべきであった場合
(3) 借主が借入金を違法・犯罪活動に用いることを貸主が事前に知り、または知るべきであったにも関わらず借入金を提供した場合
(4) 公序良俗に違反する場合
(5) その他法律、行政法規の強行規定に違反する場合
また、利息の上限も下記のとおり定められました。
・年利率24%以下    :有効
・年利率24%超36%以下 :自然債務(債権者の利息支払請求を認めないが、債務者が任意に支払った場合、債権者は返還する必要はない。)
・年利率36%       :無効

特に中小企業の場合は、銀行の審査が厳しく簡単に融資を受けることができない状況にあります。上記のような企業間貸付を有効利用することで、より良い資金調達ができるようになるものと思われます。

 

 

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