こんにちは、中国・上海の三輪常敬です。
中国の労働契約について説明します。
労働契約は、労使関係を確立し、両当事者の権利と義務を明確にするための労働者と雇用主との間の合意を指します。中国では下記の3つのタイプの労働契約があります。
(1) 固定期間のある労働契約
固定期間のある労働契約とは、企業や他の雇用者、労働者が一定期間の労働契約を締結したことをいいます。 契約が満了すると、両当事者間の労働法律関係は終了します。 両当事者が同意する場合は、期限を延長するために契約を更新することもできます。
(2) 固定期間のない労働契約
固定期間のない労働契約とは、固定期間のある労働契約と違い、労働契約に期限の定めを設けない労働契約のことを言います。 労働契約締結後、労働者は長期にわたり、企業などの雇用単位内での生産や労働に従事し、何ら理由もなく離職することはできず、逆に雇用者を解雇することもできません。 この種類の労働契約は、通常、進行の作業を必要とする高度に技術的な仕事に適用されます。
(3) 一定の業務任務の完了を持って期間とする労働契約
一定の業務任務の完了を以って期間とする労働契約とは、使用者と労働者がある業務の完了を以って契約期間とすることを約定した労働契約を指します。一時的な季節労働契約だけでなく、科学的研究を完了させるなどが該当します。
なお、下記の場合は、固定期間のない労働契約を締結する必要があります。
1)労働者が当該使用者において連続満10 年勤務している場合
2)使用者が労働契約制度を初めて実施するか、又は国有企業が制度改革により新たに
労働契約を締結する時点で、労働者が当該使用者において連続満10 年勤務しており、
かつ法定退職年齢まで10 年に満たない場合
一般的に、(2)の固定期間のない労働契約を締結することは避ける傾向にありますが、上記のとおり、固定期間のない労働契約を締結する必要のある状況もあります。
労働法違反にならないように、注意する必要があります。