こんにちは、中国・上海の安孫子 悠治 (アビコ ユウジ)です。
今日は中国における資本の持分譲渡についてお話しします。
ここでいう持分譲渡とは、外国投資者が外商投資企業の出資持分を譲渡し、外商投資企業から撤退する方法です。
この方法は撤退だけでなく、グループ内の中国事業再編を行う際にもよく利用されます。
以下、持分譲渡のメリットとデメリットを記載します。
・持分譲渡のメリット
現地法人の清算等の煩雑な手続きを必要としない点が挙げられます。また、現地法人は既に外国企業として認可を受けて設立された企業なので、持分譲渡の認可が下りないという可能性は低いと考えられます。
・持分譲渡のデメリット
当たり前のことですが、譲渡相手の企業が見つからなければ、譲渡をすることはできません。先方が希望する条件を満たさなければ撤退や次の計画が先送りとなってしまいます。
下記にて、持分譲渡のフローを記載します。
1.譲渡の決議・譲受側の確定
譲渡価格の算定、譲渡契約書の作成、董事会の決議を行います。
2.出資者の同意
持分譲渡を行うためには出資者の同意が必要であり、合弁・合作以外の第三者が持分譲渡を受ける場合は、持分譲渡に対する同意と優先購入権の放棄の両方について記載した文書を作成する必要があります。
3.対象会社の決議・譲渡契約の締結
当決議は定款の変更に当たるため、3分の2以上の当時が出席する董事会で出席董事全員の同意が必要となります。
4.審査認可機関への申請
会社を設立したときの審査認可機関へ出資者の変更を申請した後、30日以内に判定が行われます。
5.登記機関の変更登記
持分譲渡が認可された場合、30日以内に認可機関で外商投資企業の認可証書の変更手続きを行います。認可証書の変更または返納ならびに取消をした日から30日以内に工商行政管理局で関連規定に従って登記の変更手続きを行う必要があります。
認可機関への申請に必要な資料など、詳細をお知りになりたい方はぜひ東京コンサルティングファームまでお問い合わせください。
今日は以上です。
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