こんにちは、中国・上海の安孫子 悠治 (アビコ ユウジ)です。
今日は中国の保税物流園区についてお話します。
中国において、国内で商品を調達し、国内で販売するにはもちろん中国に企業を置く必要があります。
「しかし、わざわざ会社を設立せずに、中国国内で取引を行いたい。。。」
特に、貿易関連の業務を行う企業では上記のような考えを持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか?
保税物流園区を活用することで、中国に企業を置かずに中国国内で取引を行う方法がありますので、ここでご紹介させていただきます。
保税物流園区は保税区内または保税区に隣接する特定港区内に設置されており、
スピーディな荷動きかつ低コストが求められる国際物流に対応した税関特殊監督管理区域です。
以下、保税物流園区を活用した取引の一例です。
◎中国国内で取引を行うフロー
1.日本企業A(買主)が仕入先の中国企業B(売主)から保税物流園区で注文品を仕入れる。¹
2.日本企業A(売主)は保税物流園区の倉庫業者Cと貨物預託契約を締結する。
3.倉庫業者Cは日本企業A(売主)の商品を保税物流園区で保管・梱包等する。
4.倉庫業者Cより中国企業D(買主)に引き渡す。²
¹保税物流園区への搬入が輸出とみなされ、輸出通関を行った中国企業B(売主)は輸出貨物増値税還付を申請できる。
²保税物流園区からの搬出が輸入とみなされ、中国企業D(買主)が貨物を免税または保税で
輸入できる場合を除き、輸入通関を行った中国企業D(買主)に対して輸入関税と増値税
が課せられる。
◎ 保税物流園区を活用したみなし輸出入取引のメリット
実際の貿易取引に対して、保税物流園区を活用したみなし輸出入取引は下記の点で優れています。
・外貨決済が可能
・輸送費を削減できる
・デリバリーのリードタイムを短縮できる
・在庫・貨物ダメージを減少できる
ただし、上記「◎中国国内で取引を行うフロー」でも記載した通り、保税物流園区を活用するためには倉庫業者等と貨物預託契約を締結する必要があります。
また、登記料を支払う必要もありますので、この分のコストを見込んでおく必要があります。
保税物流園区は立地によって運用が異なります。
通達等も頻繁に改正されるため、現地の税関、専門家にご相談することをお勧めします。
今日は以上です。
中国市場についてのセミナーも随時開催しております。
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