自動車業界について

こんにちは、中国・上海の田中勇です。本日は、自動車業界の最近の動向と注目企業についてお話します。

 2009年に中国の自動車市場は、世界最大となりました。その後も販売台数は増加し続けており、世界一を維持しています。増え続けた要因としては、中国人の所得や消費増加だけでなく、中国政府の政策が大きく関わっています。例えば、税金の引き下げ、補助金があります。税金の引き下げについては、排気量1600CC以下の自動車購入する際は、自動車購入の際に発生する税金を10⇒5%に引き下げました(09年1月20日~12月31日)補助金については、農家が旧式自動車を新しい自動車の買い替えの際、補助金を交付しました。(09年1月~10年末日)政府の政策が終わった後、2011年には、市場成長率は低くなりましたが、2013年にはまた成長率が上昇しました。その成長をけん引しているのが、轎車と言われるセダン型の乗用車です。中国で販売されている自動車の内、54%を占めるのがセダン型の乗用車なのです。前年度成長率も11.8%と依然として中国の自動車市場をけん引しています。

【市場の推移】


出所:中国自動車工業協会 http://www.caam.org.cn/newslist/a35-2.html

【中国トップ5の企業】

出所:中国自動車工業協会 http://www.caam.org.cn/zhengche/20140121/1305112760.html

 注目企業としてはBYD(中国語:比亜迪汽車)が挙げられます。注目すべき点としては、二つあります。一つ目は、初めから海外を意識していたことです。二つ目は、創業者 王伝福による大胆な決断です。まず、BYDとは、「Build Your Dreams」の略で、「あなたの夢を構築する」という意味です。後から音読みの中国語(比亜迪:中国語よみでBiYaDi)を当てています。通常、中国現地企業は、中国語の企業名を考えてから、海外進出時や上場時に英語の名前を付けます。一方、BYDは、創業時から海外進出を意識しているというアグレッシブな企業なのです。次に、BYDはもともと電池分野で名をはせた企業です。創立(1995年。資本金250万元。社員20人)後わずか7年で香港証券市場上場、中国国内リチウム電池最大手になり、世界シェア第3位にまでなっています。ところが、2002年、創業者である王伝福は、電気自動車業界に参入するという大胆な決断をします。理由は王自身が電気自動車の今後の可能性を読んでいたからです。自動車業界については全くの無知だった王は(車の免許さえも持っていませんでした)、約一年で200冊の自動車関連本を読破し、2005年に秦川汽車(西安)を買収し、BYD自動車有限公司を設立します。その後、車用金型大手のオギハラの群馬の工場を買収しました。2010年には、乗用車の部門で中国シェア第6位にまでなります。ただし、模倣品が多いという指摘、エコカーの普及がうまくいっておらず利益率が減ってきていること(2012年:Net profit margin 0.2%)等の不安要素もあります。投資家ウォーレンバフェットが投資していることでも有名な企業です。

以上

 

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