期待成果を検証する

経営

皆様こんにちは。カンボジアオフィスの公認会計士の熊谷です。今回は、事業計画を作成する4つのステップのうちの三つ目、「期待成果を検証する」という点を考察していきたいと思います。

 ビジネスモデルを構築した後、やはり実際にその事業が利益を生むか、綿密に検証を行う必要が出てきます。そのために役立つのは、会計の知識です。会計の知識がなければ、実際に利益を生むかどうかの検証を的確に行うことは難しいといえるでしょう。会計の知識を持っているのであれば、事業計画、利益計画を作成し、将来貸借対照表や将来損益計算書を作成することができます。そして、その作成に基づく種々の仮定が妥当なのかどうかを的確に判断することによって、それらの決算書が実現可能性が高いものなのかどうかを判断することができるのです。ですから、会計の知識を身に着け、事業計画、利益計画を作成するよう努力してみましょう。

その次に重要となるのは、KPI(Key Performance Indicator)の設定になります。さきほどの話につながるところがありますが、目標となる会計数値を達成するためにキーとなる行動を明確にすることにより、組織単位の目標が従業員単位の目標へとブレイクダウンされることになるのです。

 それでは、KPIはどのように設定することができるでしょうか。KPIの作り方には2つのコツがあります。

 まずは、目標を要素分解することです。分解の仕方には色々ありますが、ポイントは最低でも一つはそれぞれの個人の行動として目標になり得る要素になっているかどうかといいう点です。例えば、売上は、客数と客単価に分解することも可能ですし、価格と販売数に分解することも可能です。どちらの分解が良いかは、業種によっても異なります。いずれにしても個人の行動としてアプローチしやすい要素に分解してください。そうすることにより、会計目標は個人の行動目標へと分解され、個人は目標達成に集中しやすくなります。

 そして、もう一つ大事な点は、特に重要な要素をKPIとするということです。要素分解した後、それぞれがすべて同じように重要な要素とは限りません。会社内部の努力ではどうにもできない管理不能要素というものも混入しています。ですから、その要素に関しては、KPIとすることができません。必ず管理可能であり、かつ、目標達成をする上で影響度が高い要素をKPIとして設定し、目標実績管理を徹底的に行うことが大事になります。このようにしてはじめて、期待成果が絵にかいた餅ではないことを実証することができます。

今週は以上です。

上記の点でご質問ございましたら kumagai.keisuke@tokyoconsultinggroup.com

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