株式

法務

皆様、こんにちは、カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週もカンボジアの会社法について、皆様にわかりやすくご説明させていただきたいと思います。

 

株式とは、現地法人を設立する際のその会社の持分を表します。基本的に一つの種類の株式を発行することになり、株主平等原則が適用されることになります。平等原則は以下の意味で平等です。①議決権②配当金③残余財産分配請求権(144条)。しかし、定款で別の定めを設ければ、権利の異なる複数の種類の株式を発行することができます。違いをつけることができる条件は145条に列挙されている通りです。

また、株式は譲渡制限をつけることができるが、その制限内で譲渡を行うことができます(154条)。その際、株券の交付を行いますが、帳簿上も正確に記載を行う必要があります。株主であるか否かは、株券の占有ではなく、帳簿上の記載があるかどうかで決定されます。

 

 

第143条(株式)

株式は記名式とする。株式には金額表示があり、会社は額面価格以下で株式を発行してはならないものとする。各種類株式に付される権利、特権、制限及び条件は、定款において定めるものとする。

第144条(株式数・額面価格・権利)

定款において株式数及び額面価格が定められていない場合、会社は、額面4000リエル以上の株式を1000株以上発行するものとする。定款に株式の種類についての定めがない場合、会社の株式は1種類のみとする。これらの株式を保有する株主の権利は平等であり、ここにおける株主の権利には次に掲げる権利が含まれる。

(1)全ての株主総会における議決権

(2)決定された全ての配当において配当を受け取る権利

(3)残余財産分配請求権

第145条(種類株式の権限)

定款の定めがある場合、会社は、2種類以上の株式を発行することができ、また、各種類株式について絶対的又は相対的な権利を定めることができる。各種類株式に付される権利、特権、制限及び条件は、定款において定めるものとする。前条各号の権利は、少なくとも1種類の種類株式に対し、各種類株式につき個別に又は全種類株式に付されるものとする。株式に付することができる権利及び条件には、次に掲げるものが含まれるものとする。

(a)会社の都合、株主の都合又は特定の出来事の発生によって、当該種類株式を、当該会社又は他の会社の他の種類株式又は有価証券に転換又は交換できること

(b)残余財産の分配に関する優先権

(c)会社の都合又は株主の都合によって、当該種類株式を買戻し又は償還できること

(d)譲渡制限

 

第154条(株式譲渡)

株式は、本法律及び定款が定める制限に従って譲渡することができる。会社は、株式を譲渡することができ、譲渡人及び譲受人から共同申請を受けた場合、帳簿及び記録に正確な記載しなければならない。

 

 

今週は以上です。

上記の点でご質問ございましたら kumagai.keisuke@tokyoconsultinggroup.com

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