皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。
さて、今回は「権力と権限」についてお話しします。
正しい組織文化は権限と権力を混同してはなりません。権限と権力を混同しては、働く人から働く意欲と成果を奪うことになります。
企業に訪問していると、権限と権力を混同している現場をよく目にします。権限とは、マネジメント(上司)が、働く人に成果を上げさせるために必要な影響力を行使することです。権力とは、成果に関わるか否かに係わらず、職務上の地位により、影響力を行使することです。
ドラッカーは、 「マネジメント 第23章 人こそ最大の資産」の中で、次のように説いています。
「権限と権力は異なる。マネジメントはもともと権力をもたない。責任はもつ。その責任を果たすために権限を必要とし、現実に権限をもつ。それ以上の何ものももたない」
さらにドラッカーは、「 第一線のマネジメントは、仕事に対する必要なあらゆる権限を与えなくてはならない」としています。つまり、直接に働く人をマネジメントする第一線のマネジメントこそが、組織に直接成果をつくるへぎ実行部隊の指揮官と位置づけています。自らに組織の目的を達成するために必要なあらゆる権限を与える必要がある、と述べています。
働く人は、上司の気まぐれな権力の行使を受けることで、仕事を中段させられ、時間を浪費していくことがあります。その結果、本来の成果を導くべき業務の生産性は低下し、モチベーションを低下をさせていくことになるとドラッカーは危惧しています。
マネジメントは、常に働く人に成果を上げさせることを第一義に考えなければなりません。マネジメントが働く人に権力を行使することは、部下への影響力を自ら弱めていくことを理解しなくてはなりません。同時に本来の権限まで喪失していくことを認識しなければなりません。
澤柳 匠