カンボジア法人税 ・その2

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の西山です。

今回は「カンボジア法人税・その2」についてお話しします。

カンボジア法人税の税率は、通常20%が適用されますが、原油又は天然ガスの生産分与契約、木材、鉱石、金そして宝石を含む天然資源の開発からの課税所得に対しては30%、生命保険、損害保険又は再保険業を行う保険会社は、カンボジアで受領した総保険料収入を課税所得として5%の税率が適用されますが、非保険収益については通常税率の20%が適用されます。

カンボジアでは、課税所得がマイナスになるなどにより、税額が発生しない場合であっても、法人税の代わりにミニマム税を納める必要があります。

ミニマム税とは、法人税とは別の税であり、VATを除く年間売上高に対して1%を乗じて算出した金額になります。ただし、このミニマム税については法人税の税額をミニマム税が上回った場合にのみ適用されるため、法人税が年間売上高の1%を超えた場合には、法人税のみを納めることになります。

また、投資優遇措置(QIP)の適用企業及び一定の要件を満たした企業はミニマム税が免除されます。

法人税およびミニマム税の計算方法は以下のとおりです。

売上高 10,000、費用 9,800、利益 200の一般企業A社の場合

(益金不算入項目および、損金不算入項目はないものとする。)

①法人税の計算方法

法人税の課税標準額は、収益から費用を差し引いた所得となり、これに対して20%の税率が課税されます。A社の場合、課税所得が200であるため、税額は、以下のように計算されます。

課税所得200 × 税率20% = 40

②ミニマム税の計算方法

ミニマム税の課税標準額は、利益ではなく、VATを除く売上高となります。A社の場合は、10,000が課税標準となり、これに対して、ミニマム税率の1%を乗じて税額を算出します。

売上高10,000 × 税率1% = 100

③確定税額の算出

①、②それぞれの計算から算出された法人税とミニマム税のうち、金額が大きい方が、確定の税額となります。A社の場合には、②のミニマム税率が、①の法人税の金額を上回っているため、ミニマム税の100が確定税額となります。

① 法人税40 < ②ミニマム税100

確定税額100

今週は以上になります。

 

株式会社東京コンサルティングファーム

カンボジア拠点

西山 翔太郎

 

 

 

 

 

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