皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週は社債発行費について、そして社債の処理を例題を踏まえて考えていきたいと思います。
★社債発行費について・・社債の発行において、印刷費や各種専門家への手数料、社債販売促進費などのがかかるがそれらを総じて、社債発行費と呼びます。
日本基準では、社債発行費は費用処理または繰延資産として計上しますが、IFRSでは、社債勘定を減額する処理を行います。下記のような処理です。
Dr 社債 ××× Cr 当座預金 ×××
例題 33
A社は1月1日に額面金額40,000$で2年間、利率2%の社債を38,000$で発行した。したがってこの社債はディスカウント発行であり、実行利率は4.6%である。利払日は12月31日である。社債発行費は1,000$かかっており、1月1日に当座預金より支払いを行った。
Dr 当座預金 38,000 Cr 社債 38,000
current accounts corporation bonds
社債 1,000 当座預金 1,000
corporation bonds current accounts
社債を発行し、38,000$の資金を得る。社債発行費は社債の減額として計上する。
Dr 社債利息 1,748 Dr 社債 948
interest on corporation bonds corporation bonds
当座預金 800
current accounts
利払日の仕訳であるが、実際に支払う金額は額面40,000×2%=800$であるので当座預金から800$支払う。しかし、当初に実際には額面より少ない金額で受け取ったことによる金利の調整を仕訳に反映しなければならない。実効金利率は4.6%であり、取得価額38,000×4.6%=1,748$が本来の利息計上額といえるため、社債利息として計上する。本来の利息計上額と表面の利息支払額の差額を今期社債勘定の増加分として今期計上する。
このように社債勘定は最終的には償還日には額面金額になるように調整されていく。これを償却原価法という。
今週は以上です。
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