カンボジアの農業Part4

その他

こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。

前回までは、Part2、Part3と、食品加工業社が地方に工場を設立する利点についてお話ししました。
今回は次のステップ、②どのように材料を仕入れるか、そして③ワーカーをどのように雇うのか、についてお話し致します。

一般的に、材料の調達はカンボジアで大きなボトルネックとなっています。
国内で基盤となる産業がまだ成長しておらず、ほとんどの材料を輸入に頼っているため、大量生産の食品加工を行うのであれば、主にベトナムやタイ、中国等の「外国」からの輸入に頼らなくてはなりません。
その結果、製造原価が割高になってしまう傾向があり、さらにカンボジアでは租税条約がまだ整備段階であるため、海外とのやり取りに関しては慎重に進めなければなりません。

しかし、経済成長により農業の生産性、効率性が底上げされ、カンボジア現地で材料を仕入れる動きも出てきています。
農業の機械化による生産性向上、そして外資による農業ビジネスへの投資が注目を集めており、カンボジア現地で安定的な仕入れのできる環境が整いつつあります。

また、ワーカーの確保ですが、Part3でもお話しした通り、地方に工場を建設することで「現地の人材の囲い込み」ができます。農業しか仕事がなく、都市部やタイ、ベトナム等に出稼ぎに行く若者がまだまだ多い中、地方での仕事創出を行うことで安定的な人材確保が可能になります。
もちろん、いくつか注意も必要です。
まず、地方に行けば行くほど地域のコミュニティがあり、そこの長と雇用について話さなければなりません。ある村から一人若者を工場へ連れて行くのであれば、そこの村長へフランスパン(カンボジアでは地方へ持って行くお土産の定番)を持っていき、直接交渉が必要になります。紙切れ一枚で雇用ができる世界では必ずしもありません。
また、Part3でもお話ししましたが、教育水準の問題もあります。
どのレベルのワーカーを雇用するかにもよりますが、トイレの使い方から教えなければならない場合もあるため、必ず社内での教育が必要となります。

おさらいになりますが、地方から都市部に若者を呼ぶのではなく、地方で工場を建て、地方の学校と協力しある程度教養のある若者を集め、できれば現地で原材料を調達し、低コストでありながら様々な先駆者利益を得る、これが今の食品加工業の進出形態としてはとても理想的であると考えられます。

以上

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