「自己株式の取得、配当」

法務

皆様、こんにちは、カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週もカンボジアの会社法について、皆様にわかりやすくご説明させていただきたいと思います。

 

カンボジアにおいても会社は、自己株式の取得を行うことができます。あらかじめ定款に定まれた内容に基づき、取締役が意思決定を行い、実行することができます。しかし、自己株式の取得は実質的には、資本の払い戻しとなるので制限があります。

また配当に関しても、株主総会の普通決議で承認を受けた後に取締役が定款に基づいて実行することできます。

自己株式、配当に関しても減資の際と同じように以下の条件を満たす場合を無効となります。

(1)  実行後に会社が支払不能の状況に陥る場合

(2) 実行後に会社財産の換価可能な価値が合計債務額を下回る状況に陥る場合

 

 

 

第155条(自己株式の取得)

1会社は、定款の定めに基づき、自己株式を取得すること又は株式を償還することができる。

2会社は、常時、1種類以上の、完全な議決権を有し、償還又は売却義務が付されていない株式を発行していなければならない。

3株主は、株式が償還された場合、償還金の支払いを受ける代わりとして、会社に株式を引き渡す義務を負う。この場合において、株主が株式を引き渡さないときは、会社は、償還金を銀行の別の口座に預入し、株主に対して書面でその旨を通知することができる。会社は、償還金の預入と同時に、帳簿及び記録から当該株式を抹消しなければならない。ただし、会社は、次に掲げる状況が生じると信ずるに足りる合理的な理由がある場合、自己株式の取得又は株式償却のための支払いを行うことができない。

 (1)自己株式の取得又は株式償還の対価の支払い後、会社が支払不能に陥る状況

(2)自己株式の取得又は株式償還の対価の支払い後の会社財産の換価可能な価値が合計債務額を下回る状況

4会社が取得した、償還した又はその他の方法で取得した株式は消却しなければならない。ただし、定款において発行可能株式総数が制限されている場合、当該株式を未発行の株式の状態に戻すことができる。

第157条(配当宣言)

1取締役は、定款が定める制限に従い、剰余金又は純利益から配当を行うことができる。

2取締役は、配当を行うことができる会社資金の中から、業務に使用するための特別準備金を積み立てることができる。

第158条(配当に対する制限)

会社は、次に掲げる状況が生じると信ずるに足りる合理的な理由がある場合、配当宣言及び配当を行ってはならない。

(a)配当後に会社が支払不能に陥る状況

(b)配当後の会社財産の換価な価値が合計債務額を下回る状況

 

 

 

 

今週は以上です。

上記の点でご質問ございましたら kumagai.keisuke@tokyoconsultinggroup.com

までお気軽にご連絡ください。 

 

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