6月末の労働法の改正について

労務

皆様、こんにちは。

カンボジア駐在員の安藤と申します。

 

今回は、6月末に発行されました労働法改正に伴った「年功補償」について、お話ししたいと思います。

 

労働法の改正は、今年今年の6月15日に議会で可決され、6月28日に公布し、即日発効とされました。その主な改正点が、「年功補償」の導入です。

 

改正前の制度では、

労働者が継続勤務することによって発生する法律上の権利(企業側の義務)として、これまでは以下のようになっておりました。

 

<有期雇用契約の場合>

有期雇用契約(2年間が上限)が終了する場合、企業は、終了理由を問わず、契約期間中の給与総額(時間外手当、賞与などを含む)の少なくとも5%を退職金として支払わなければなりませんでした。

 

<無期雇用契約の場合>

無期雇用契約には退職金という規定はなく、企業側に支給義務はありませんでした。企業側が労働者を解雇した場合のみ、解雇補償金の支払い義務がありました。

 

 

今回の改正で加わった年功補償制度とは、

<無期労働契約>における解雇補償制度に代わって導入されたものです。

よって、有期雇用契約に対しては、変更されておらず、以前の通りとなります。

 

内容は、

大まかには、労働者は、雇用継続1年ごとに15日分の給与および諸手当の相当額の年功補償を取得することができるようになりました。

また企業側は、6ヶ月毎にこれを支払う必要があるようになりました。よって、企業は、半年毎に、7.5日分の給与を労働者に支払うことになります。

 

一方、問題点として、

文言上では無期雇用に限定している旨の記載がなく、有期雇用を含まれるような記載となっています。なので、有期雇用も対象となりうる状況となっております。

また、労働法では、労働省の公布する省令で対象・手続・計算方法などの詳細を定めるとしておりますが、省令は未だ交付されておらず、公表されておりません。

 

実務対応としては、

省令は未だ交付されておりませんが、法の改正がすでに行われ発効されているため、省令は実務において必要不可欠となると思われます。そこで、今後、交付される情報を適時に情報を把握した上、対応策を取っていくことが必要だと考えられます。

 

 

今月は以上となります。

今週も読んでいただき、誠に有難うございます。

次回も皆様に有益な情報を提供できたらと思います。

どうぞ宜しくお願い致します。

 

安藤 朋美

 

 

 

 

 

 

 

 

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