こんにちは。
東京コンサルティングファーム・ブラジルの田村彩紀です。
今週は、法人清算の際の留意点について記載をいたします。
質問)
ここ数年悩んできた結果、ブラジル拠点を閉鎖、つまりは清算する方向で考えております。
清算にあたり、どののような点を考慮しなければならないか、ポイントを教えていた抱けますでしょうか。
回答)
清算するにあたり、考慮するべきポイントを下記の2つのカテゴリーに分けて記載をいたします。
1) 会計・税務面
はじめに、完全な清算状態にするには、資産・負債をゼロの状態にする必要がございます。生産そのもののお手続きも、可能な限り資産や負債をなくした上で(尚良い方法はゼロの状態にした上で)開始するのが望ましいでしょう。例えば、売掛金や買掛金など未回収・未払いのものがあれば、処理をする必要がございます。特に取引先とのやり取りが発生するため、早めに動いていく必要があります。
また、税金については、過去5年分については、未払いや不足等が発生していれば、支払う必要があります。清算時にはまず、税金の支払い状況を確認する必要があり、万が一、支払いが漏れている場合や過去の税金計算が誤っており、罰金含め支払いが必要な場合が出てくることがあります。税金が未払いのままですと、清算が完了しないためこちらも重要なポイントとなります。
2) 労務面
労務面で大事なポイントは従業員の解雇と言えるでしょう。清算を理由に解雇をすることは問題ないのですが、会社都合の解雇でありやむを得ないとはいえ、従業員にとっては予期していないものとなります。そのため、適切な方法で解雇をした場合であっても、何かしらの理由をつけて裁判を起こされる可能性は全くないとは言えません。また、裁判を起こされた場合、その訴訟のプロセスが完了するまで、清算そのものも完了することはできないため、未然に防ぐということは難しいのが実態ではありますが、この点もぜひ、押さえていただきたいポイントです。
今回は清算時の留意点を簡単にお伝えいたしましたが、清算は長ければ数年~10年以上かかる場合もあり、清算が進まないという声を企業様からいただきます。
清算することも拠点を運営していく中では考えなければならないことの一つではありますが、清算時に発生する懸念事項等しっかり押さえていくことが重要となります。
弊社でも清算のお手続きのサポート、アドバイス等承っておりますので、
お気軽にご相談いただけると幸いでございます。
お読みくださりありがとうございます。
株式会社東京コンサルティングファーム・ブラジル拠点
田村彩紀
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