こんにちは。 東京コンサルティングファーム ブラジル駐在員の金内です。
今週はブラジル税務について記載いたします。
前回に続き、ブラジルの貢献金:Contribuições(以降、税金として扱います)であるPIS、COFINSを計算する際の課税標準額の算出について書いていきます。
今回の判決の内容が実際に適用される日付は、現時点(2017年4月18日時点)にて決議されておりません。現在までの税務判決を鑑みるに、可能性としては、判決の出た2017年3月より5年間遡って適用となるか、課税年度の切り替わりである2018年1月から適用となるかが考えられます。ブラジル財務省の見解では、残念ながら2018年1月からであるとしています。
PIS/COFINSの課税標準額が変更は、ブラジルの税収入にも非常に大きな影響をもたらします。財務省の予想では、R$250.3billionともいわれています。ブラジルで事業を行う全ての企業において、今回の判決は短期的には「良い影響がある」といえますが、経済の悪化で税収入が落ち込むブラジル政府にとって、すんなり容認するのは大変困難な状況であるといえます。州によってはインフラ関係もストップするほど財政難である現状があり、今回のPIS/COFINSは連邦税ですが、長期的な視点で見た場合、今後すぐにブラジル経済が上向きに回復する以外では、政府は何かしらの対策をとる可能性が高いと思われます。
今回ブラジルにおける理不尽な税制にメスが入ったことは非常に大きな意味がありますが、今後のブラジル政府の対応次第では、事態が悪化する可能性もあり得ます。いづれにしても、将来的な結果として、今回の判決が企業の成長を助長し、経済成長を達成できる判決であることを願っています。
以上
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