バングラデシュの抱える諸問題について

バングラデシュという国が抱えている問題の中でも大きな割合を占めている内の二つとして、汚職の蔓延と交通インフラの未整備が挙げられるという事は既に述べているかと思います。バングラデシュでは政府がこれらの問題を解決しようと活動している事と、それが大変な困難を伴うという事を同時に証明する様な事態が最近になって発生しました。

バングラデシュの交通インフラ問題の原因の一つとして、国土を大きな河川が横切っている事が挙げられます。これらの河川を渡るためにはフェリー等を利用せねばならず、輸送時間とコストの増大を招いていました。こうした問題を解決するため、バングラデシュ政府は国際的な金融機関等からの融資を受けて大型の橋の建設を進めていました。中でも、計画中のパドマ川にかける橋は自動車のみならず電車も使用可能な、バングラデシュでは画期的な橋として期待されていました。この橋の建設の為、バングラデシュ政府は世界銀行(WB)から12億ドル、アジア開発銀行(ADB)から6億ドル、イスラム開発銀行(IDB)から1.4億ドル、国際協力機構(JICA)から4億ドルの融資を受ける予定でした。

しかし、橋建設に関わっている企業の汚職が見つかった事より、世界銀行が融資を凍結、他の機関も及び腰になりました。およそ3ヶ月にも渡って続いたこの問題は、世界銀行が汚職防止の為に出した4か条の条件をバングラデシュ政府が先日ついに受け入れる事でようやく解決の目途が付きました。

今回の一連の出来事は、バングラデシュの抱える様々な問題が容易に解決可能ではないという事を改めて示しています。

以上

バングラデシュ現地法人担当 岩波

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