バングラデシュへの会社設立事情

バングラデシュにおける会社設立において、検討しなければならない重要事項の一つが立地条件です。定款の内容等は設立後に書類手続きで変更する事も可能です。会社の設立場所も同様で後で引っ越しを行う事は可能です。しかし、その為に要する労力や費用は定款変更の比ではありません。その為にも設立時に慎重に設立場所を決定しなければなりません。

また、バングラデシュでは近年土地価格及び不動産賃料が上昇傾向にあります。これは単なる物価上昇のみならず、必要な物件が不足しているという事でもあります。ダッカ市は南部から北部へ拡張を続けてきた都市ですが、それは現在でも続いており、最北部には新興都市のウットラがあります。近年ではこれまでダッカ中心街にオフィスを構えていた企業の内、北部の工場地帯への行き来が多き企業の中にはウットラへ引っ越しを行う企業も出てきています。交通渋滞も悪化しているダッカでは、中心街からウットラへ移動するだけで1時間以上かかる事もあり、さらに北にある工場地帯に行く際には時間の節約にもなります。今後進出される企業で、工場地帯との取引を行う企業の方は、初めからウットラを視野に入れて設立に臨むのも良いかもしれません。

実際の所、一番立地条件に優れているのは輸出加工区(EPZ)になります。しかし、バングラデシュではダッカとチッタゴンのEPZは既に空きが無く、拡張が行われる予定も有りません。バングラデシュ政府はEPZの空きが無くなると、拡張するよりも現在産業の無い地域に新しいEPZを作る事を好む傾向が有る様で、この二つ以外のEPZは非常に交通の便が悪い場所に設置されており、日本人が生活するには厳しい環境と言えます。そのEPZすら、現在は新規開発が打ち切られている状態です。今後進出する日系企業は、限られた選択肢から立地条件を決める必要が有ります。

以上

バングラデシュ現地法人担当 岩波

バングラデシュの情報はもちろん、アジア・アフリカ・中南米の最新情報をお届けします。
TCGのメールマガジン好評配信中!お申込みは下のバナーをクリック!
TCGのメルマガ、お申込みはこちらをクリック

関連記事

BANGLADESH INTERNATIONAL TRADE FAIR

バングラデシュの海外送金

ページ上部へ戻る