
バングラデシュには、計8か所のEPZ(Export Processing Zone)があり、輸出産業の労働環境を守るために、特別にEPZ専用のBEPZA法(Guideline of EPZ)が設けられています。 BEPZA(Bangladesh Export Processing Zone Authority)法は基本的に、バングラデシュの労働法に基づいて定められているため労働法から大きく逸脱することはありませんが、労働者保護の観点からBEPZA法には、雇用主の立場から見ると厳しい規定が少なくありません。
下記、3点について紹介します。
① 入社と同時に従業員に与えられる有給休暇の手当の相違
② 入社1年後に従業員に与えられる有給休暇の繰り越し日数の相違
③ 残業時間規定の相違
① 入社と同時に従業員に与えられる有給休暇の手当の相違
バングラデシュ労働法とBEPZA法のどちらにおいても入社と同時に臨時休暇(Casual Leave)と傷病休暇(Sick Leave)の2つの有給休暇が与えられることとされています。どちらもそれぞれ年間10日、14日と定められており、この日数を超えての休暇は有給休暇(②入社1年後に従業員に与えられる有給休暇の繰り越し日数の相違で説明します。) という形もしくは欠勤扱いとされます。バングラデシュ労働法では、傷病休暇(Sick Leave)について欠勤日数分の給与が全額保証されるのに対して、BEPZA法では欠勤日数分の半額のみの支給となります。つまり、1日の欠勤で半日分の給与しか支給されません。
② 入社1年後に従業員に与えられる有給休暇の繰り越し日数の相違
バングラデシュ労働法とBEPZA法のどちらにおいても入社から1年が経過した社員につき、有給休暇(Annual Leave)が認められます。(入社1年経過していない社員に付与しても問題ありません。) 有給休暇の未消化分について翌年度の繰り越しが認められています。バングラデシュ労働法では、工場については年間最大40日まで、その他では60日までの繰り越しが可能なのに対して、BEPZA法では年間可能繰り越し日数が最大30日となっています。
③ 残業時間規定の相違
バングラデシュ労働法とBEPZA法のどちらにおいても残業時間について規定されています。バングラデシュ労働法では、1日の残業時間は2時間までで1日の総労働時間は10時間を超えない範囲で可能となっています。一方、BEPZA法では1日最大4時間までの残業が認められています。週の総労働時間は60時間までとされているため4時間の残業を行った週については労働時間の調整が必要です。
新たにバングラデシュへの投資を行う際には予め社内の労務整備等の準備をしておくことはもちろんですが、EPZ内の場合、通常と異なる規定が存在するだけでなく定義自体が異なる場合も少なくないため雇用契約書や就業規則を作成する際には十分に注意しておきたいものです。
以上
Tokyo Consulting Firm Limited
齋藤かおり
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