皆さんこんにちは。東京コンサルティング・ベトナムの山口です。
<Q>
今度、ベトナムに出張ベースで行くことになるのですが、個人所得税については、短期滞在者免税での申請を考えています。しかし、過去の事例があまりないというお話もきいており、実際どうなのか相談させて頂きたいと思います。
<A>
まず、短期滞在者免税が適用される条件としては下記3つの条件をすべて満たしている必要があります(日越租税条約第15条により規定)。
1, 暦年におけるベトナム国内の滞在期間が合計183日未満である
2, 滞在者の報酬については、ベトナム法人(および恒久的施設に該当するもの)により支払われていない
3, 滞在者の報酬が、ベトナム法人(および恒久的施設に該当するもの)で負担されるものではない
また、免税手続を行う際には、以下の手続が必要です。
<必要書類>
・申請書
・居住国の税務機関発行の居住者証明書(課税証明)
・労働契約書(もしくは任命書)
・パスポートコピー
※居住者証明書については、例えば日本からベトナムに出張する方の場合には、日本での証明書が必要となります。
<申請>
事前申請と事後申請が必要となります。
事前申請:ベトナムでの雇用契約もしくは業務が開始される15日前までに税務署へ書類を提出
事後申請:ベトナム勤務終了15日前もしくは年度末
なお、税務署担当職員によって対応が異なることも予想されます。そのため、追加の書類依頼や適用に関してのリスクがゼロではないことにご注意頂く必要があります。つまり、短期滞在者免税は、承認手続ではなく、受理手続であるため、「受理=必ず免税適用」ということにはなりません。従って、受理されたケースでも税務調査時に免税適用要件を満たしていないと判断されるケースもあります。よって、受理された書類を元に将来の税務調査時に説明を行うことが必要となることもあります。