こんにちは。東京コンサルティングファームベトナムの石出です。
ベトナム労働法の規定を正確に理解しておらず、適切な人事マネジメントができていないケースがございます。
今回は労働法の中の有給休暇に関しましてご説明させていただきます。
【有給休暇】
ベトナムでは労働者が12カ月間勤務した場合に,12日の年次有給休暇が付与されます。労働期間が 12 カ月未満の被雇用者の有給休暇は労働期間に比例して算定されます。
しかし、危険な業務に従事している従業員には14日間,特別に危険な業務の場合は16日間付与されます。※労働法111条
※危険な業務:労働傷病兵社会事業省と保健省が公布したリストによる重労働・ 有害・危険な業務をする人、または生活条件が過酷な地域において勤務する者、または未成年の被雇用者、或いは障害を持つ被雇用者の場合
また、有給休暇の増加日に関しましては5年勤続するごとに1日ずつ増加されます。
※労働法112条
企業は,従業員の同意のもと年次有給休暇消化のスケジュールを規定することができ、
年次有給休暇を複数回に分割し取得したり,最大3年分をまとめて取得することも可能になります。
【個人的な休暇】
ベトナムでは個人的な理由による休暇に関して労働法で定められています。
※労働法116条
下記の場合は賃金が全額支払われます。
①(労働者自身の)結婚 3日間
②子の結婚 1日
③実父母,義父母,配偶者又は子の死亡 3日間
下記の場合は賃金は支払われませんが,企業に知らせることにより1日休むことが可能になります。
①父方の祖父母,母方の祖父母,兄又は姉弟妹の死亡
②父,母又は兄弟姉妹の結婚
【未消化の有給休暇の処理方法】
・在籍時
買取又は繰越の対応をするケースが多いです。
買取の場合は平均賃金日当の100%を買取します。こちらは給料と共に支払います。
繰越についてはベトナム労働法上で期間制限はございません。しかし、ベトナムの場合祝日が少ないためベトナム従業員は有給休暇を取得することに抵抗はなくほとんどが有給消化をするため、多くの日系企業が繰越期限を翌一年としています。
・退職時
すべての有給休暇を消化できなかった場合、従業員はその分を賃金として受け取ることが可能になります。※労働法第114条の1項
つきまして企業側は金銭で清算する必要があり、買取金額は、直近6ヶ月の労働契約に記載された賃金の平均となります。※政令05/2015/NDCP-26条
上記踏まえ、退職時期が決定した際には計画的に有給消化するように取り組む必要もあります。
未消化の有給休暇処理に関しては会社閉鎖など、従業員と交渉が必要になるケースもございます。適切な人事マネジメントができるよう弊社にてサポートさせて頂きますのでぜひ問い合わせ頂ければと存じます。
今週は以上になります。
※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社は一切の責任を負うことはありませんので、何卒ご了承ください。
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株式会社東京コンサルティングファーム
石出 眞輝
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